空気の通り道に狭いところがあると、空気が流れるときに音がします。これを喘鳴と呼びます。呼吸がしづらく、息苦しい状態です。ひどい場合には受診が必要です。
空気の通り道(気道)の内側がむくんだり、たんがついたりして狭い部分ができると、空気が流れるときに音がします。これを喘鳴と呼びます。狭い場所を空気が通るため、普段はしない音がでるのです(笛をイメージしてください)。気道の口側、太いところが狭くなると息を吸うときに低いグーグーという音がしたり(クループ)、逆に肺側の細いところが狭くなると息を吐くときにゼーゼー・ヒューヒューと胸が鳴ったりします(ぜんそく)。
クループや、ものをのどに詰まらせて、のどから気管までの空気の通り道が1つしかない部分が狭くなり、息が吸いづらくなっているときは心配です。喘鳴があり息苦しそうならば夜間でも受診しましょう。以前にもゼーゼーしたことがあるなど様子がわかっている場合は、水分をとり、胸や背中をトントン軽く叩いてたん出しをしましょう。
(青梅市立総合病院 小児科 部長 横山 美貴先生)
黄疸とは、全身にビリルビンがたまって黄色く染まった状態を指します。新生児黄疸や体質性黄疸を除き、異常な場合が多いため、急いで医療機関を受診する必要があります。
黄疸は、血液中にある胆汁色素のビリルビンが2mg/dLを超えると出現します。柑橘類の摂取で見られる柑皮症では、白目は黄色くならないので区別がつきます。生後1カ月頃の乳児期に見られる黄疸は、胆道閉鎖症という重い病気を見逃さないためにも、注意して見る必要があります。胆道閉鎖症の場合は、便が白っぽくなり、肝臓が大きく腫れてきます。母乳性の黄疸ではないかという思い込みで判断をせず、まず医師に相談してください。黄疸は、年齢に関係なく、肝臓以外のさまざまな病気でも出現するため、早めに医療機関を受診することが大切です。
(医療法人社団堅江会はたクリニック 院長 秦 堅佐工先生)
出血傾向とは、血が止まりにくくなっている状態です。鼻血がなかなか止まらない場合や、ぶつけてもいないのに体にあざができている場合は、医療機関の受診が必要です。
けがをしたときに血が止まるのは、血液中の血小板という細胞と、凝固因子と呼ばれるさまざまなタンパク質の働きがあるからです。血管の壁に穴ができたとき、まず血小板が集まってきてその穴をふさぐようにします。次に凝固因子の働きで集まってきた血小板同士のつながりを強くして、壁の穴を修復していきます。血小板と凝固因子の働きは、ブロックとその隙間を埋めるセメントのようなものです。血小板の数が少ない、働きが悪い、凝固因子の一部が足りない、などの原因があると、壊れた血管の穴を修復することができず、血が止まりにくくなったり、皮膚の下に小さな出血(1mmから3mm程度の赤い点)やあざができたりします。
(帝京大学医学部附属溝口病院 小児科 教授 井田 孔明先生)
腎臓で作られたおしっこ(尿)が体の外に出るときに、なんらかの異常によって、おしっこの際に痛み(排尿痛)や回数の変化(頻尿など)が見られる場合があります。
腎臓では、体を循環している血液からおしっこ(尿)が作られます。腎臓で作られた尿は、腎盂、尿管を通って膀胱にためられ、排泄されます。排尿前や排尿中、排尿後の痛みは排尿痛と言い、さまざまな病気の可能性があります。また、尿の回数が増えることを頻尿と言います。尿の量が増える場合や、回数だけが増えている場合などさまざまな状態があり、それぞれ原因となる病気が異なります。膀胱炎や尿道炎などの炎症によって起きる場合もありますが、水分をとりすぎている場合や精神的な影響で起きることもあります。いずれの場合も診断のために尿の性状を調べる必要がありますので、医療機関で尿検査を行いましょう。
(東京大学医学部附属病院 小児科 講師 張田 豊先生)
※この記事は2012年当時の情報に基づいて記載しております。
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