インタビュー

尿路結石症の原因 ②尿路感染症や季節との関係

尿路結石症の原因 ②尿路感染症や季節との関係
内田 克紀 先生

国際医療福祉大学病院腎泌尿器外科 部長 教授

内田 克紀 先生

この記事の最終更新は2016年04月02日です。

日本で患者数が急増している尿路結石症は、動物性たんぱく質などの過剰摂取のほか、運動不足や尿路の通過障害、ステロイド薬の使用、さらには季節(外気温)など、様々な要因が複合的に影響することで発症します。食事に焦点を当ててお話しいただいた記事1「尿路結石症の原因とは? ①食生活の欧米化」に引き続き、尿路結石が形成される原因について、国際医療福祉大学病院腎泌尿器科部長の内田克紀先生にお伺いしました。

この理由は、汗を多量にかくことにより尿量が減少して尿が濃縮するからです。実際にボストンのグループが行った24時間蓄尿検査により、尿中のカルシウム濃度が外気温と比例して上昇すること、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムの過飽和(飽和状態よりも多く含まれるということ)が起こること、また、尿中ナトリウムの排泄が減ることなどが明らかになっています。

また、日本から外気温の高い国へと長期出張・赴任された方が、同様の理由で数か月後に尿路結石症を発症することもあります。

成人の尿量は1日1.2リットルほどといわれていますが、尿路結石症予防のためには“食事以外で2リットル以上の水分をとること”が理想とされています。

ただし、紅茶や一部のウーロン茶にはシュウ酸が多く含まれているため多量の摂取はおすすめできません。尿路結石症予防のための水分補給には、水道水やミネラルウォーター、とりわけカルシウムやマグネシウムが豊富な硬水などが適しています。

具体的には、先天的な腎盂尿管移行部狭窄(じんうにょうかんいこうぶきょうさく)や、腎盂がん・尿管がん、前立腺肥大症尿管瘤、馬蹄鉄腎(ばていてつじん:腎臓の形態異常)、海綿腎(腎臓の尿細管の拡張)により、尿流停滞が起こり結石が形成されることがあります。

骨密度が高い、つまり骨にカルシウムが十分に詰まっている活動的で健康な若い人が、急に病気や怪我などで動けなくなったときに尿路結石症を発症することもあります。これは、体を突然動かさなくなることにより、骨からカルシウムが血液中に溶け出し、さらに尿中に多量のカルシウムが排出されてしまうことによるものです。

また、通常人間は寝るとき以外は腎臓が膀胱より高い位置にある状態で生活しているため、腎臓で生成された尿は、尿管の蠕動運動だけでなく重力も利用してスムーズに膀胱まで流れてきています。しかし、仰向けで臥床すると腎臓が膀胱より低くなってしまうため、尿は蠕動運動のみで運ばれることになり、尿流が停滞しやすくなって結石形成へと繋がってしまうのです。

この尿路結石は「感染結石」とも呼ばれており、尿素分解菌により尿がアルカリ性に傾くことでリン酸マグネシウムアンモニウムが結晶化して形成されます。

感染結石から細菌が完全に消失することはほとんどなく、尿路感染症と尿路結石症のどちらかが悪化するともう一方も悪化するという隣り合わせの関係にあるため、感染結石の治療時には注意が必要です。

頻度は稀ですが、副腎皮質ステロイド薬や緑内障の治療薬であるアセタゾラミドなどにより、尿中のカルシウムやリン酸が増え結晶化してしまうというケースもあります。

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