ぎまくせいちょうえん

偽膜性腸炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

偽膜性腸炎とは、抗生物質の使用により正常な腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)が乱れ、代表的にはクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)と呼ばれる菌が増殖して起こる腸炎です。偽膜(ぎまく)とは病気が発症したときに生じる見た目の変化を指し、その特徴的な外観から病名がついています。

主要な症状は、下痢、発熱などです。入院期間中には抗生物質を使用する機会も多いため、入院期間中の高齢者や重症な患者さんに多くみられる病気です。症状がなく保菌者となることもあれば、重症化することもあります。

保菌者から周囲へ感染が広がるため、積極的な治療を行うことで重症化を防ぐことはもちろんのこと、院内感染予防対策の意味合いからも重要な意味をもつ病気です。

原因

偽膜性腸炎は、Clostridium difficileが産生する毒素により発症する腸炎です。大腸粘膜の表面に偽膜を形成する菌としては、Clostridium difficile以外にも黄色ブドウ球菌やMRSAなども知られていますが、Clostridium difficileが原因であることがもっとも多いです。

健康な人の腸内には、大腸菌やバクテロイデスなどの多数の細菌が存在しており、腸内の健康状態を保っています。しかし、正常な細菌叢(さいきんそう)に対して影響が及ぶ抗生物質が投与されると、腸内の細菌バランスが崩れ、その代わりに普段は腸内に存在しない、もしくは存在していても少数派である細菌が増殖することがあります(菌交代現象)。

菌交代現象を背景としてClostridium difficileが多数派となり、毒素が大量に産生されることで偽膜性大腸炎を発症します。

あらゆる種類の抗生物質が菌交代現象を引き起こし、偽膜性大腸炎の原因となりえます。リスクが高いものとして、広域ペニシリンや第二、第三世代セファロスポリンが挙げられ、ときに抗がん剤や抗ウイルス薬なども原因となります。

入院患者さんの発症が多く、また、Clostridium difficileは環境中で非常に安定であるため、医療従事者の手や介護者などに原因菌が付着して、周囲に感染が拡大することがあります。

症状

偽膜性腸炎の症状は、原因となる薬剤の投与から、数日~2週間程度後に出現します。下痢(水様性や粘液便、ときに血便)や発熱が代表的な症状であり、高齢な入院患者さんに発症しやすいという背景から、脱水や電解質異常などを続発するリスクも高いです。

重症化した場合には、麻痺(まひ)イレウス中毒巨大結腸症などを発症することがあり、嘔吐や腹痛、腸管穿孔(せんこう)(穴があく)、血圧低下などを伴うようになります。

検査・診断

便検査を通して原因菌の産生する毒素を確認することが診断に有益です。より診断率を向上させるために、Clostridium difficileに特徴的なGDH抗原を同時に検出する迅速キットが使用されることもあります。大腸内視鏡検査を行い、偽膜の存在を確認することもありますが、必ずしも確認できるわけではありません。

また、血液検査や尿検査などにより脱水や電解質異常を確認します。

治療

偽膜性腸炎では、原因となっている薬剤を可能な限り中止します。また、Clostridium difficileに対する抗生物質として、内服薬であるメトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシンが使用されることもあります。

重症例には、両者が併用されたり、バンコマイシンが注腸されたりすることがあります。また、巨大結腸症穿孔(せんこう)をきたした場合には手術が行われることもあります。

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