概要
先天異常症候群とは、生まれつきに心臓や腎臓など複数の臓器に異常を認める病気を指します。
先天異常症候群は、単一の疾患を指すものではなく、複数の疾患を包括的に表現する概念です。ダウン症候群や18トリソミー症候群、13トリソミー症候群などをはじめとして、数多くの疾患が先天異常症候群に含まれます。
先天異常症候群に対する根本的な治療方法は、基本的にはありません。そのため、対症療法的な治療介入が行われます。
原因
先天異常症候群には、ダウン症候群や18トリソミー症候群、13トリソミー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などの多くの病気が含まれます。これらの疾患は、生まれつきの遺伝子異常や染色体異常により引き起こされます。
しかし、先天異常症候群では、病気の原因、病名を確実に特定することができないこともあります。そのため、今後の研究により、これらが明らかにされることが期待されています。
症状
先天異常症候群は、体の各種臓器に複数の障害をきたす疾患です。
生まれつきの心疾患のために、哺乳障害や体重増加不良、呼吸回数の増加、チアノーゼなどを来すことがあります。泌尿器系の異常により尿路感染症を繰り返したり、電解質やホルモンの異常、中枢神経異常によるけいれんなどを起こしたりすることもあります。
複数の臓器に障害が生じる先天異常症候群ですが、原因疾患が多岐に渡るため症状も原因によりさまざまです。また、同一疾患であっても、必ずしも同じ症状が生じるわけではありません。
検査・診断
先天異常症候群は、顔貌の特徴や生じている臓器障害などから疑われます。遺伝子や染色体レベルの異常が知られている疾患が想定される場合には、主には血液を用いた遺伝子・染色体検査が行われます。
また、生じている症状に対する臓器障害の程度も評価します。心疾患であれば、胸部単純レントゲン写真や心電図、超音波検査が行われます。中枢神経系の異常が疑われる際には、脳波検査や頭部MRIなどが行われます。
実際にどのような検査が行われるかは、原因疾患や臓器障害の状況を考慮したうえで決定されます。
治療
先天異常症候群に対する根本的な治療方法は、基本的にはありません。そのため、生じている臓器障害に応じて、対症療法的な治療介入が行われます。
具体的には、心疾患に対しては、内服薬やカテーテル治療、手術療法などが行われます。けいれんがある際には、抗けいれん薬の使用や手術療法などが検討されます。発達の異常を伴う場合には、リハビリテーションや療育を治療に導入することも求められます。
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