症状
無症状の方もいますが、症状が出現した場合には血液に関わるものや過粘稠度症候群に関わるものなど、軽症から非常に重い状態まで多岐にわたります。がん化したB細胞が異常な免疫グロブリンを過剰産生する点でこの病気と似ている多発性骨髄腫では、骨の痛みが現れることが多いです。しかし原発性マクログロブリン血症では骨に異常が現れるのは非常にまれです。
血液に関わる症状
がん化したB細胞が骨髄で増えると、血液細胞の産生が阻害されます。特に赤血球がが不足することが多く、この場合は全身がだるい、疲れやすい、やる気が出ない、めまいがする、少し動いただけで息切れする、などの症状が現れます。
過粘稠度症候群に関わる症状
自覚症状としては、頭痛、物が見えにくくなる(視覚障害)、手足の先がしびれる、触った感触がわかりにくい(末梢神経障害)、皮膚出血に加え口の中や胃、腸などの粘膜から出血しやすくなる、疲れやすいなどがあります。
また、クリオグロブリン血症と呼ばれる低温時にのみ固まって小さな血管で炎症を起こし、その先に血液が流れなくなって虚血を起こすことがあります。特に皮膚、関節、神経、腎臓などで高頻度におこります。
しこりに関わる症状
がん化したB細胞はリンパ節で増えることもあり、この場合は体の表面や深部にしこりができます。しこりは取って調べる検査(生検)を行って病理検査を行うと、リンパ形質細胞リンパ腫と診断されます。この場合のしこりは、どこにできるかによって、いろいろな症状が出ます。詳しくは「悪性リンパ腫」の項目を参照してください。
また、肝臓や脾臓でがん化B細胞が増えることもあり、この場合は肝臓や脾臓が大きくなります。脾臓はときに非常に大きくなることもあり、その場合はお腹の張りなどを自覚することもあります。
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