種類
双子といっても、その成り立ちや子宮内での様子によっていくつかのタイプに分けられます。
卵性の違い
双子には2つの受精卵がそれぞれ胎児へと変化していく“二卵性双胎”と、1つの受精卵が何らかの理由で2つに分かれてそれぞれ胎児になっていく“一卵性双胎”が存在します。
膜性の違い
双子には卵性のほかに、膜性という分類があります。母体の中の赤ちゃんは卵膜に包まれており、子宮に付いた胎盤と臍帯(へその緒)で母体とつながっています。卵膜は羊膜、絨毛膜、脱落膜の3枚からなり、羊膜、絨毛膜は赤ちゃんに由来する膜です。双子の赤ちゃんの場合に、それぞれの赤ちゃんを卵膜のどの成分が覆っているかによって膜性が決定します。
双胎妊娠の膜性は二絨毛膜二羊膜双胎、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜に分類されます。もともとの受精卵が1つの一卵性双胎の場合、その受精卵が2つに分かれる時期によって膜性が変わってきます。分かれる時期が早ければ二絨毛膜二羊膜双胎になることがあり、遅い場合には一絨毛膜一羊膜双胎になることがあります。実際、一卵性双胎の場合は一絨毛膜二羊膜双胎になるケースが多くみられます。二卵性双胎のほとんどは二絨毛膜二羊膜双胎になります。
このような膜性の違いは妊娠初期の超音波検査で診断されます。膜性の違いによって妊娠中に起こりやすい合併症の発症頻度が異なることが知られており、双胎妊娠においては膜性診断を確実に受けておくことが重要です。
二絨毛膜二羊膜
二卵性双胎と同様、2人の胎児が別の胎盤を持っており、異なった羊膜に包まれている状態です。一卵性双胎の約25%を占めるといわれています。
一絨毛膜二羊膜
2人の胎児が1つの胎盤を共有していますが、異なった羊膜に包まれています。一卵性双胎の約75%を占めるといわれています。
一絨毛膜一羊膜
2人の胎児が同じ胎盤、同じ羊膜を共有している状態をいいます。まれな事例で、一卵性双胎の約1%といわれています。
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