症状
多胎妊娠では、単胎妊娠と比較してつわりが強く現れやすいほか、子宮が大きくなっていく速度が早いことなど、さまざまな症状が現れやすい傾向があります。また、骨盤に負担がかかるために腰が痛くなったり、血流の悪化によるこむら返りや足に静脈瘤が発生したりすることもあります。そのほかにも便秘や頻尿、出産後の妊娠線に悩まされる方も多くみられます。
注意すべき合併症
単胎妊娠と比較して、合併症が起こりやすいことにも注意が必要です。もっとも頻度の高い合併症として早産が挙げられます。多胎妊娠では単胎妊娠のおよそ9倍早産が起こりやすいといわれています。早産は母体だけでなく胎児の予後にも大きく影響するため、出産前からしっかりと管理する必要があります。
そのほか、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、HELLP症候群、胎児発育不全、胎児形態異常、子宮内胎児死亡、血栓症などのリスクも高くなります。
一絨毛膜一羊膜双胎は特に注意
2人の胎児が1つの胎盤と羊膜を共有している一絨毛膜一羊膜双胎では、胎児への栄養供給バランスが乱れてしまうことにより、胎児の予後に大きな影響が生じる恐れがあります。胎児一人ひとりが羊膜に包まれていないため、互いのへその緒が巻きつきやすく(臍帯相互巻絡)、胎児の命に関わるリスクとなり得ます。
これらの観点から、一絨毛膜一羊膜双胎の場合にはより慎重な管理や治療、計画的な帝王切開での出産などが検討されることが一般的です。
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