つわり

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最終更新日:
2021年04月26日
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2021/04/26
更新しました
2017/04/25
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概要

つわりとは、妊婦に見られる吐き気、嘔吐、食欲不振などの不快な症状のことです。妊娠初期(5~6週頃)から見られ始め、妊娠12〜16週ごろにはよくなることが多いです。

妊婦のうち50%~80%が何らかのつわり症状を経験するといわれていますが、つわりの内容や程度はさまざまで、症状がほとんどない人もいれば、吐き気がひどくて食事がままならない人もいます。

つわりは妊婦にとってつらいものですが、栄養状態が多少悪くなったからといって赤ちゃんの発育には影響を及ぼさないことがほとんどです。ただし、つわりによる体重減少が5%以上に至った場合は、“妊娠悪阻”と呼ばれ、状況によっては点滴などによる治療が必要になることがあります。

原因

妊娠によって体内のホルモンの量が急激に変化することで起こると考えらえていますが、詳しい原因は明らかになっていません。このほかにも、血糖の変化やビタミン類の不足が影響している可能性もあるといわれています。

また、体の変化のほかにも精神的な要因や文化的価値観も影響するといわれており、これらの要因が重なり合うことでつわりの症状が起こると考えられています。

症状

つわりの症状や程度は個人差が極めて大きいものです。一般的によく見られる症状は、以下のものがあります。

消化器症状

悪心(吐き気)、嘔吐、食欲不振がもっともよく見られる症状です。寝ている間の空腹により朝に起こる人も多いですが、日中の疲れがたまった夕方から夜にかけて悪化する人も多く、個人差があり一日中吐き続ける人もいます。胸やけや胃の圧迫感、下痢、便秘などが見られる人もいます。

唾液の症状

口の乾きが見られる場合や、反対に唾液が増加して“よだれつわり”といわれる状態になり一日中唾液を拭き取ったりしないといけない場合があります。

そのほかの症状

上記の症状のほかに、全身のだるさ、頭痛、眠気、耳鳴りなどが見られることもあります。

妊娠悪阻の症状

妊娠悪阻とは、つわりが重症化して全身が障害された状態で、全妊婦の0.5~2%に見られるといわれています。

つわりの症状に加え以下の症状が見られる場合、妊娠悪阻と診断されることがあります。

  • 5%以上の体重減少
  • 脱水症
  • 尿中ケトン体の検出
  • 血液検査異常 

検査・診断

ある程度のつわりは妊娠に伴う正常な経過であり、治療の必要はなく、特別な検査や診断は行われません。

つわりが重く、過度の体重減少や脱水症状などが見られる場合は、妊娠悪阻と診断され、治療が必要になることがあります。

つわりの中心症状である嘔吐は、ほかの病気でも認められることがあるため、類似の病気との鑑別が必要になることもあります。吐き気や嘔吐のほかに何らかの症状が認められる場合や、妊娠16週以降もつわりの症状が続く場合などはつわり以外の原因が隠れている場合もあるため、血液検査や画像検査など、病気に応じた検査が行われることがあります。

治療

妊娠悪阻に当てはまらないつわりは妊娠に伴う正常なものです。つわりの多くは12週頃にピークを迎え、16週頃には自然に治まることがほとんどです。つわりがひどい時期は無理をせずにゆったりと過ごしながら、つわりを和らげるための工夫を試してみるとよいでしょう。

つわりが重く、体重減少が大きくなったり、脱水症状が見られたりする場合は、輸液や治療薬による治療が必要になることがあります。つわりが重いと感じるときは我慢せずに主治医に相談するようにしましょう。

つわりを和らげる方法

つわりを和らげる工夫には以下のものがあります。

食事の取り方の工夫

つわりがあるときは、無理に食べようとせずに食べられるものを食べたいときに取るようにしましょう。つわりがある時期は栄養バランスを気にする必要はありません。一度にたくさんの量を食べると吐き気を誘発してしまうため、少量を頻回に分けて取るように心がけます。その際、刺激物や脂肪分はさけ、味の薄い乾いた食品などを取るようにします。

固形のものが食べられないときは、ジュースやスープなどでも栄養を取ることができます。水分を意識的に取ることも大切です。

生活の工夫

つわりがある時期は、心身の安静を心がけ、休む時間を増やし、つわりがある時間帯に無理に動かないようにします。妊娠や仕事への不安など、精神的な要因によってもつわりがひどくなることが分かっているため、身近な人や医師に相談して不安を抱え込まないようにしましょう。

仕事をしている女性でつわりがひどい場合には、医師が作成する“母性健康管理指導事項連絡カード”を職場に提出することで仕事を休むことができます。つらいときは無理をせずに主治医に相談するとよいでしょう。

つわりに有効な治療薬

妊娠悪阻と診断された場合、輸液やビタミン剤などの薬物治療が必要になることがあります。

妊娠悪阻に当てはまらないつわりであっても、ビタミン剤や漢方薬などがつわりに有効であるとの報告もあります。また、海外ではショウガ粉末がつわりに有効であるとされていることもあります。これらがつわりの予防にどのようにはたらきかけるかは明らかになっていませんが、これらを含むサプリメントや食品について、医師や薬剤師に相談したうえで摂取してみるのもよいでしょう。

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