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インタビュー

公開日 : 2016 年 02 月 22 日
更新日 : 2018 年 01 月 05 日

妊婦健診の内容 基本的な検査では何を行うのか

妊婦健診の検査内容は毎回行うものと、時期に応じて行うものに分かれます。今回は、妊婦健診で基本的に行われる検査項目について、昭和大学医学部産婦人科学講座准教授の松岡隆先生にお話頂きました。

基本的な検査。毎回調べること

毎回実施する検査は以下のとおりです。

体重測定

急な体重の増減がないか、適正に体重が増加しているかをチェックします。

かつて、日本は妊婦さんの体重管理に関して厳しい傾向がありましたが、最近は栄養バランスを考え、適度に体重を増やすことが大切だと考えられるようになってきています。基本的には、BMIが低い、つまり「痩せ」の部類に入っている方ほど体重を増やす必要があります。痩せている方は12㎏程度、太めの人は5㎏程度が目安です。もともと体重が多いからといって、体重を増やしてはいけないということはありません。

妊娠後期になってしまうと、あまり体重は増やすことができません。そのため、早期からしっかりと食べてエネルギーを摂らなければ体重が増えないことを、しっかりと指導するようにしています。もちろん、太りすぎもよくありませんが、しっかりと体重を増やすことは安全にお産を終えるために非常に重要なことです。

出産期にあたる日本の女性は比較的痩せている方が多く、ダイエット志向から妊娠中も体重を増やさないようにしてしまう結果、小さい子が生まれてくることが増えてきています。このような赤ちゃんは将来生活習慣病にかかるリスクが高くなるともいわれます。我が子を将来的に病気にさせないためにも、しっかりと体重増加が必要なのです。

肥満気味の方のほうが、妊娠高血圧症候群になりやすいことは事実といえます。しかし、体重増加不良の場合、子どもが大きく育たないまま出産してしまう可能性が高まります。つまり、増えすぎもセーブしすぎもよくないことであり、適切な体重増加が必要となるのです。特に痩せている方はもともと痩せ志向が強く、体重が増えることを拒みがちですが、体重はしっかりと増やすようアドバイスしています。

血圧測定

正常血圧は最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHg未満であり、これを満たしているか確認を行います。急に高血圧になっている場合は注意が必要です。

尿検査(尿たんぱく、尿糖)

妊娠高血圧症候群および妊娠糖尿病の徴候を診るためにおこないます。

その他、子宮底長(子宮の大きさの数値。恥骨の上端から子宮の最上部までの長さ)、浮腫(むくみ)の有無、腹囲も基本的な検査であり、健診時に毎回チェックします。必要によっては内診を行います。

また、問診も適宜行われます。問診に含まれる項目は、固定情報や家族歴、既往歴、月経歴、既往妊娠・分娩歴、現状の主訴などによって構成されています。

血液検査

血液検査では、全期間を通して血液型検査、血算(貧血)、不規則抗体(赤ちゃんの発育に影響する抗体の有無を調べる)、血糖、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応などを行います。

保健指導

保健師などが、妊娠期間の食事や生活に対するアドバイスを行います。それとともに精神的な健康にも目を配り、妊娠や出産、出産後の育児に対する悩み・不安に対する相談に応じます。

経済的理由で個別支援が必要な方に対しては、市町村と連携を取って対応するようにしています。

健康状態の把握

妊娠週数に応じた問診・診察を常に行い、医師は妊婦さんの健康状態を常に把握しておきます。

健診時に「異常」が発生した場合

妊婦健診で「正常ではない状態」だと判断された場合、その後の対処は二つに分かれます。

妊婦健診はスクリーニング検査であるため、「正常ではないけれど異常でもない=結果的に正常なもの」も拾ってくる(偽陽性といいます)可能性があるのです。正常ではないと診断がされた場合、異常であると一度で確定診断がつく場合も、二次検査によって確定診断される場合もあります。大切なのは、このどちらにあたるかをまず知ることです。

基本的には、スクリーニングで引っかかれば二次検査を受けることになります。二次検査で診断が決まったら逆子なら逆子の、双子なら双子のという風に、それに応じた治療指針に乗ることができます。その場合には保険適用になります。

つまり、妊婦健診で正常ではないと判断された場合、それが確定診断なのか、まだ確定ではないからさらなる精査が必要かを見極める必要があるのです。だからこそ、必要以上に心配する必要はありませんが、しっかりと妊婦健診を受けることをお勧めします。