びーがたかんえん

B型肝炎

肝臓

目次

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概要

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染した状態の総称です。肝炎や肝硬変といった肝臓の病気を引き起こす可能性が高くなり、肝臓がんの原因になることもあります。近年はワクチンの活用や妊娠時の血液検査の徹底により、新規に罹患する患者数は大幅に減少傾向にあります。

しかし2017年現在、国内に110~140万人の感染者がいると推測されており、引き続き予防や検査の啓発が求められています。B型肝炎にかかっていても自覚症状が現れないことが多く、気づかないうちに重篤な病気へと進行してしまう例も見受けられるため、注意が必要です。

原因

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介することで感染します。母子感染が感染経路の大部分を占める一方、性行為による感染も一定程度認められます。その他、不衛生な医療器具を介した感染や家庭内感染も報告されています。

国内では、1986年から実施された母子感染防止事業により、親から子へのウイルス感染は減少しています。一方、慢性化しやすい欧米型のB型肝炎ウイルス「遺伝子型A」が流入しており、性行為による感染の急増が問題視されています。

症状

B型肝炎は、感染の状態により、一時的な症状で終わる一過性感染と、B型肝炎ウイルス(HBV)を保有し続ける持続感染に分けられます。

急性肝炎:一過性感染

一過性感染は、主に免疫系の発達した成人が感染した場合に認められます。このうち、約30%が急性肝炎を発症するとされています。具体的な症状として、1~6か月の潜伏期間を経た後に、全身の倦怠感や食欲不振、黄疸(おうだん)などが現れます。

一般的には数週間でピークを向かえ、回復に向かいます。しかし、急性肝炎を発症した方のうち1~2%程度で症状の進行が認められ、劇症肝炎を発症します。劇症化すると、肝不全や肝性昏睡(肝性脳症)という肝機能低下による意識障害がおこります。

慢性肝炎:持続感染

持続感染は、母子感染や3歳以下の幼少期に感染した場合に起こりやすいといわれています。持続感染の場合、ウイルスを保有しているものの、肝機能が正常で特別な症状が認められない無症候キャリアが約90%を占めているとされます。

残り約10%は継続的な炎症を起こし続ける慢性肝炎の症状を示します。このうち、年間約2%が肝硬変へと移行し、肝細胞がん、肝不全に進行するとされています。

検査・診断

診断時の検査では、血液検査にてHBs抗原の有無を調べます。B型肝炎ウイルスに感染すると、増殖するウイルスに由来するHBs抗原が血液中に出てきます。ただし、HBs抗原は、感染後比較的早い段階で消失してしまうことがあるため、急性肝炎の診断にはIgM型HBc抗体の測定が併せて実施されます。

B型肝炎と診断されると、HBe抗原とHBe抗体の測定が実施されます。HBe抗原はHBVが増殖するときに過剰に作られるタンパク質です。HBe抗原が陽性であれば、肝臓内でHBVが活発で感染力が強い状態であることを示しています。HBe抗体はHBe抗原に対する抗体です。HBe抗体が陽性ということは、HBVの量と増殖が落ち着いて感染力が弱くなった状態であることを示しています。

その他、HBV-DNAを用いてHBVそのものを測定するリアルタイム(TaqMan)PCR法が用いられる場合もあります。

治療

急性肝炎の多くは自然に回復に向かうため、慎重な経過観察が行われます。状況によっては、経過観察のために入院が必要な場合もあります。

慢性肝炎の治療方法は、抗ウイルス療法、肝庇護療法(かんひごりょうほう)があります。抗ウイルス療法では、インターフェロン(IFN)や核酸アナログ製剤などが用いられます。肝庇護療法は肝臓が破壊されるのを防ぎ、肝機能の改善を目的とした治療法です。グリチルリチン製剤やウルソデオキシコール酸、漢方薬の一種である小柴胡湯(しょうさいことう)などが使用されます。そのほか、免疫療法が実施される場合もあります。

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