検査・診断
診断時の検査では、血液検査でHBs抗原の有無を調べます。HBVに感染すると、増殖するウイルスに由来するHBs抗原が血液中に確認できます。ただし、急性肝炎の場合、HBs抗原は感染後比較的早い段階で消失することがあるため、HBs抗原陰性の急性肝炎の診断には、感染初期の3~12か月間に見られるIgM型HBc抗体の測定を行います。
慢性のB型肝炎と診断されたら、HBe抗原とHBe抗体を測定します。HBe抗原はHBVが増殖するときに過剰に作られるたんぱく質で、HBe抗原が陽性であれば、肝臓内でHBVの増殖が活発で感染力が強い状態であることを示します。一方、HBe抗体はHBe抗原に対する抗体です。HBe抗体が陽性であれば、一般にHBVの量と増殖が落ち着いて感染力が弱くなった状態であることを示しています。
そのほか、リアルタイム(TaqMan)PCR法でHBV-DNAを測定しHBウイルス量をモニターするほか、AST・ALTを測定して肝炎を発症しているかを評価します。さらに4型コラーゲン7Sなどの肝線維化マーカーの測定や、エコー・CTなどの画像検査を行い、無症候性キャリア・慢性肝炎・肝硬変のどの状態にあるかを評価します。
また、肝炎の進行具合を調べるために、肝生検が併せて行われることもあります。
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