症状
B型肝炎は、感染の状態により一時的な症状で終わる一過性感染と、HBVを保有し続ける持続感染に分けられます。
急性肝炎:一過性感染
一過性感染は、主に免疫機能が発達した成人が感染した場合に認められます。具体的な症状として、1~6か月の潜伏期間を経て、全身の倦怠感や食欲不振、黄疸、褐色尿などが現れます。症状の程度はさまざまで、軽度の倦怠感で終わる人もいますが、約3割は肝機能が低下し黄疸を発症します。
一般的には数週間でピークを迎え、その後回復に向かいますが、1~2%程度は症状が進行し、劇症肝炎を発症します。劇症化すると、肝性昏睡(肝性脳症)という肝機能低下による意識障害が起こり、命に関わる可能性があります。
慢性肝炎:持続感染
持続感染は、母子感染や3歳以下の幼少期に感染した場合に起こりやすいといわれています。持続感染の場合、ウイルスを保有しているものの、肝機能が正常で特別な症状が認められない“無症候性キャリア”が約80~90%を占めているとされます。
残りの約10~20%では、継続的な炎症が続く慢性肝炎の症状が現れます。このうち年間約2%が肝硬変へと移行し、肝細胞がんや肝不全に進行するとされています。
医師の方へ
B型肝炎の関連記事
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
「B型肝炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします