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【医師監修】妊娠初期にインフルエンザにかかったら―お腹の赤ちゃんに影響する?

【医師監修】妊娠初期にインフルエンザにかかったら―お腹の赤ちゃんに影響する?
[医師監修] メディカルノート編集部

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毎年、冬になるとインフルエンザが流行し、体調を崩す人が増えます。インフルエンザは高熱が出るだけでなく、場合によっては激しい頭痛や嘔吐などの強い症状がでるために注意が必要です。特に妊婦は免疫力が下がっているために、インフルエンザにかかった場合には重症化することがあります。今回は、妊娠中にインフルエンザにかかったときの危険性や注意点、対処法を詳しくお伝えします。

妊娠初期にインフルエンザにかかった時の赤ちゃんへの影響は?

妊娠中にインフルエンザにかかった場合、胎児の神経発達の抑制や神経管閉鎖不全や心奇形などの奇形の増加が報告されていますが、インフルエンザに感染したことによる直接的な影響というよりも、妊婦の高熱や異常な炎症反応に伴う副次的な影響との報告もあります。

妊婦がインフルエンザに罹患した場合には妊娠していない人に比べて重症化しやすいことが知られており、インフルエンザにかかったと思われる場合には早めにかかりつけの産婦人科に相談することが大切です。

妊娠初期にインフルエンザに感染・発症することの危険性 

重症化しやすい

妊娠中は体を守る免疫細胞の活動がおさえられ、免疫力が低下することに加えて、妊娠期間を通して起こるさまざまな身体の変化によって病気を治すのに時間がかかる場合があります。

妊娠中は、妊娠初期のつわりによる体力の低下、妊娠中期以降は子宮が大きくなることによる肺活量の低下、心肺機能の低下などが起きます。インフルエンザに罹患した場合には、これらの要因が関与することで、入院が必要になるほど重症化する妊婦は妊娠14~20週で1.4倍、妊娠27~31週で2.6倍、妊娠37~42週で4.7倍と増加することが知られており、十分な注意が必要です。

妊娠初期にインフルエンザにかかったときは?

インフルエンザの可能性がある場合は内科か産婦人科へ

インフルエンザの症状は、38℃以上の高熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などの全身症状が急激に現れることが多いです。しかし、症状の出方には個人差があります。もし、妊娠中インフルエンザにかかったら病院の何科を受診すれば良いのか悩む人も多くいるのではないでしょうか。

妊娠中にインフルエンザの可能性がある場合には、基本的には内科でも産婦人科でも対応が可能です。どちらか困った場合には、かかりつけの産婦人科などに電話で相談するのがよいでしょう。内科を受診する場合には妊娠中であることを必ず告げ、母子手帳を持参することが必要です。

内科もしくは産婦人科のどちらを受診する場合でも、感染拡大防止のためにマスクを着けましょう。また、症状が現れてから48時間以内の早い時期に受診し、治療を受けることが重症化の防止に有効であるといわれています。

妊娠初期のインフルエンザに対する治療は?

抗インフルエンザ薬は使うの?

妊娠中にインフルエンザになった時の治療法としては、通常の治療と同じくタミフル®やリレンザ®などの抗インフルエンザ薬が用いられます。インフルエンザが疑われる場合にはできるだけ早い時期(可能であれば、症状出現後48時間以内)に抗インフルエンザ薬を使うことが重症化防止に有効です。

抗インフルエンザ薬を飲んでも赤ちゃんに影響はないの?

2009年のインフルエンザ(H1N1)の大流行の際には多数の妊婦(推定で4万人程度)に抗インフルエンザ薬(タミフル®、リレンザ®)が投与されましたが、胎児に問題があったとの報告はあがってきていません。

タミフルを妊婦の方が使っても、早産や胎児発育不全などが起こる確率はそれらが自然発生する確率と同じくらいであり、タミフルの有害作用はいまのところ確認されていない状況です。また、リレンザ®の吸入はその成分が血液中に入らないため、胎児への影響はほとんどないとされています。タミフル®、リレンザ®ともこれまでに胎児への影響を示す報告はなく、米国疾病予防局(CDC)、わが国の産婦人科のガイドラインともに、インフルエンザに罹患後48時間以内にインフルエンザの重症化予防を目的とした治療開始が推奨されています。

妊娠初期にインフルエンザの予防接種は受けられる?

日本で使用されるインフルエンザワクチンにより、妊婦と胎児の重篤な副作用は起こらないと考えられています。そのため、一般的に妊娠中のすべての時期において接種しても安全といってよいでしょう。妊娠初期に、日本で使用されている一般的なインフルエンザワクチンを接種しても、胎児の奇形のリスクはないとの研究結果も報告されています。また、インフルエンザワクチンによって流産や先天異常が起きるということもありません。

インフルエンザワクチン接種後の一般的な副反応(副作用)としては、接種箇所の赤み・腫れ・痛み、発熱・頭痛・だるさなどがあります。まれにアナフィラキシーショックが起こる場合がありますが、この場合は接種後すぐに反応が出ることが多いため、異常があればすぐに病院に相談してください。