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高齢者や子どもはインフルエンザが命にかかわる?インフルエンザによる死亡
インフルエンザは、基本的には自然に回復する感染症です。しかし、割合からいえばまれですが、急性肺炎・急性脳症などで、命にかかわることもある感染症であることに注意が必要です。ことに高齢者やお子さんに...
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高齢者や子どもはインフルエンザが命にかかわる?インフルエンザによる死亡

公開日 2018 年 09 月 14 日 | 更新日 2018 年 09 月 14 日

高齢者や子どもはインフルエンザが命にかかわる?インフルエンザによる死亡
岡部 信彦 先生

川崎市健康安全研究所 所長

岡部 信彦 先生

目次

インフルエンザは、基本的には自然に回復する感染症です。しかし、割合からいえばまれですが、急性肺炎・急性脳症などで、命にかかわることもある感染症であることに注意が必要です。ことに高齢者やお子さんについては、インフルエンザの症状に気づいたら早めに受診させるなど、周囲の方のサポートが重要です。

本記事では、川崎市健康安全研究所所長である岡部信彦先生に、インフルエンザの死亡例についてお話を伺いました。

インフルエンザは命にかかわる?

高齢者や小児は注意が必要

インフルエンザは、命にかかわることもある感染症です。特に高齢者の場合、インフルエンザにかかりやすいわけではありませんが、いったん発症すると重症化しやすいことが知られています。小児の場合はほとんどが回復しますが、なかには急性脳症や肺炎などを合併する方もいます。感染者の多くは小児であるため、重症化する人数も多くなります。

日本での死亡数は年間約1万人

日本では、インフルエンザによる年間の死亡数の正確な統計はありません(インフルエンザによる死亡の届け出制度がない)。しかし、インフルエンザによる直接の原因だけでなく、間接的な影響も含めれば、日本でも約1万人が毎年死亡しているということが推測されています。もちろん流行の程度などによっても異なり、数百人~数万人という幅があると考えられています。

死亡数はどのように計算される?

インフルエンザの死亡数は、「超過死亡」という概念を用いて推計されています。超過死亡とは、インフルエンザが流行しているときに、インフルエンザ・肺炎の死亡数がインフルエンザの流行していない状況からどのくらい増加したか、という差分を示す推定値のことです。

インフルエンザで死亡する主な原因とは?

高齢者の肺炎(細菌性肺炎)

インフルエンザで死亡する原因として多くみられる病気は、高齢者の肺炎です。

肺炎とは、誤嚥性肺炎や化学物質による肺炎などもありますが、多くは細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染増殖して炎症を起こす感染症です。

高齢者の場合は、インフルエンザにかかり呼吸器が炎症を起こしたところに、細菌が入り込みやすい状態になり、インフルエンザに続いて細菌性肺炎を合併することが多くみられます。加えて唾液分泌量や飲み込む力、全体的な抵抗力などが低下するため、重症化しやすく、高齢者のインフルエンザに伴う肺炎は危険である、とされています。

なお、小児の場合は、インフルエンザウイルスが直接肺に侵入するウイルス肺炎の形をとりますが、発症はまれです。

脱水症

高齢者や小児がインフルエンザにかかった場合、脱水症にも注意が必要です。

インフルエンザにかかると、熱が出て汗をかくことで体内の水分が不足するため、脱水症が引き起こされることがあります。脱水症は、それ自体でもともとの病気の状態を悪化させやすく、進行すると意識障害*やけいれんが起こる恐れがあります。改善しなければ生命に危険がおよぶので、十分な注意が必要です。

近年では水分補給の必要性が広く知られてきていますが、尿の回数や量の減少、口の中や唇などの乾燥は要注意です。周囲の方は、尿の出具合や汗のかき方、全身の状態などをよく見ていることが大切です。

意識障害…脳の活動に障害が起こり、刺激への反応や活動性が低下した状態。

インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症を発症すると、異常言動や異常行動に続いて、けいれんや意識障害などが現れます。幼児に多くみられ、後遺症が残ったり、命を落としたりする危険性の高い非常に重い合併症です。

「言動がおかしいことが続く」「意識がもうろうとしている」「ひきつけをおこした」といったインフルエンザ脳症が疑われる症状がみられた場合には、救急車を呼ぶなどして、至急、小児救急医療を行う病院につれていく必要があります。

重症化を防ぐためには、早めに病院へ

小児がインフルエンザにかかったときは、ほとんどの場合回復しますが、なかには急性脳症や肺炎などを合併して重症化がみられるお子さんもいます。そのため、周囲の方が時々様子をみておくことが大切です。様子がおかしいと感じたら、早めに病院へつれていくようにしましょう。

高齢者がインフルエンザにかかったときは、肺炎などの合併症を起こし、重症化して命にかかわる恐れがあります。インフルエンザの症状に気づいたらなるべく早く受診させるなど、周囲の方のサポートが重要です。

医学部卒業後、小児科医師として各地の病院で研鑽を積む。1978年からバンダービルト大学小児科感染症研究室で知見を広め、帰国後はWHO西太平洋地域事務局や国立感染症研究所感染症情報センター所長などを歴任。
現在は川崎市健康安全研究所所長の立場から、ジカ熱や梅毒などの感染症から川崎市民の健康と安全を守るべく、川崎市の担当者と連携して対策を講じている。

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