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インフルエンザワクチンの効果と副作用
インフルエンザワクチンの効果に関しては、いろいろな研究があります。私の印象も「べらぼうに効くわけではないけれども、まあまあ効く」という程度ですが、それでもインフルエンザワクチンは「打ったほうがよ...
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インフルエンザワクチンの効果と副作用

公開日 2015 年 04 月 02 日 | 更新日 2018 年 02 月 20 日

インフルエンザワクチンの効果と副作用
岩田 健太郎 先生

神戸大学大学院医学研究科 感染治療学分野 教授

岩田 健太郎 先生

インフルエンザワクチンの効果に関しては、いろいろな研究があります。私の印象も「べらぼうに効くわけではないけれども、まあまあ効く」という程度ですが、それでもインフルエンザワクチンは「打ったほうがよい」と考えています。実際に、私自身も家族も、毎年インフルエンザワクチンを打っています。ここでは、意外と知られていないインフルエンザの効果と副作用について、ご紹介したいと思います。

インフルエンザワクチンの2つの効果とは?―エフィカシーとエフェクティブネス

予防接種を受けても発症することはある

インフルエンザワクチンを接種していても、インフルエンザを発症する人はいます。麻疹や風疹のワクチンのように、ほとんどかからなくなるわけではありませんし、100%近く予防できるわけでもありません。重症化を防ぐ点に関してもさまざまな研究がありますが、「重症化しやすい人に対しては重症化を防げる」とされています。

しかし、若くて元気な人はそもそも重症化しにくいため、あまり重症化を指標にすることに意味がありません。インフルエンザの2つの効果である「発症を防ぐ:エフィカシー」、「重症化を防ぐ:エフェクティブネス」を理解することが大切です。

インフルエンザワクチンの2つの効果

少し難しい話になりますが、インフルエンザのワクチンにはエフィカシーとエフェクティブネスの2つの効果があります。

  • エフィカシー(Efficacy):発症を防ぐこと、つまり一般的にはインフルエンザにかかるか、かからないかといいう指標のことを言います。
  • エフェクティブネス(Effectiveness):肺炎などの重症化や死亡、入院などを防ぐことを言います。

若くて元気な人はインフルエンザにかかっても肺炎になったり入院したり重症化することはあまりありません。つまり元気な人については、重症化を防げるのかについて議論することに意味がなく、エフィカシーは高くても、エフェクティブネスはそれほどないと言えます。それよりも、インフルエンザにかかったのか、かからなかったのかを指標にすることが重要になります。

ところが、高齢者ではインフルエンザワクチンを打っていても免疫がつきにくく、インフルエンザになってしまうことがあります。そのためエフィカシーから考えるとそんなに効果はありません。ただし、重症化は防げるのでエフェクティブネスはあるということができます。インフルエンザワクチンは、高齢者のように守りたい層ほどワクチンが効きづらいというジレンマがあります。

インフルエンザワクチンの副作用は?

誤解されることがありますが、ワクチンを打っても、それが原因でインフルエンザにはなることはありません。「ワクチンを打った次の日にインフルエンザになりました」という人がいますが、そもそもワクチンが効くまでに約2週間かかるので、それはインフルエンザワクチンのせいではなく、他の原因でインフルエンザになったと考えるべきでしょう。

軽い副作用として、注射した部分が痛くなったり腫れたりすることはあります。卵に重症のアレルギーがある人は禁忌と言われていますが、そのアレルギーも滅多に起きるわけではありません。

副作用のほとんどないインフルエンザワクチンは、世の中で最も安全なワクチンのうちの一つです。

記事1:インフルエンザとはどんな病気?―インフルエンザウイルスの有無を議論することには意味がない
記事2:インフルエンザワクチンの効果と副作用
記事3:お風呂に入っても大丈夫?―インフルエンザワクチンを打った後に気になる3つの疑問
記事4:インフルエンザワクチンを打つべき人とは
記事5:インフルエンザの予防接種ーいつどんな病院で受ける?
記事6:インフルエンザの治療―抗インフルエンザ薬は症状改善を1日早める
記事7:インフルエンザ-タミフル®の予防投与についての考え方
記事8:インフルエンザの検査とは 検査なしでも診断書はもらえる
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記事11:高病原性鳥インフルエンザ:H5N1型について
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記事13:インフルエンザの治療法 安静と睡眠が治療に大切
記事14:インフルエンザの治療―4つの抗インフルエンザ薬に対する考え方
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日本の感染症診療の第一人者およびオピニオンリーダー。医学だけでなく哲学から社会科学まで幅広い分野において造詣が深く、多くの著作で知られる。臨床医としては「臨床とは常に正解があるものではなく、ケースバイケースでありさまざまな選択肢を持ちながら一人一人それぞれにあった治療を考える」姿勢で、科学者としては「常にフェアな立場でさまざまな事象をみる」姿勢で医学と向き合い続けている。

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