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インフルエンザの合併症−後遺症が残ることはある?
インフルエンザは、自然に治っていくことがほとんどです。しかし、まれに重い合併症を発症してしまうこともあり、なかには後遺症が残ってしまうケースもあります。本記事ではインフルエンザで起こり得る合併症...
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インフルエンザの合併症−後遺症が残ることはある?

公開日 2018 年 09 月 14 日 | 更新日 2018 年 09 月 14 日

インフルエンザの合併症−後遺症が残ることはある?
岡部 信彦 先生

川崎市健康安全研究所 所長

岡部 信彦 先生

目次

インフルエンザは、自然に治っていくことがほとんどです。しかし、まれに重い合併症を発症してしまうこともあり、なかには後遺症が残ってしまうケースもあります。

本記事ではインフルエンザで起こり得る合併症とその後遺症について、川崎市健康安全研究所所長である岡部信彦先生にお話を伺いました。

インフルエンザによる合併症として起こる病気

インフルエンザによって引き起こされる代表的な合併症としては、以下のようなものが挙げられます。

  • インフルエンザ脳症
  • 肺炎
  • 心筋炎
  • 筋炎

などがあります。

インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症を発症すると、異常言動や異常行動に続いて、けいれんや意識障害などの神経症状が現れます。幼児に多く、後遺症が残ったり、命を落としたりする危険性の高い非常に重い合併症です。

インフルエンザ脳症の特徴は、発熱後まもなく突然発症して急激に症状が悪化していくことです。たとえば、インフルエンザを発症した子どもが意味不明な発言をした次の瞬間に、全身のけいれんが起こり、意識を失うというような経過をたどることがあります。

そのため、「言動がおかしいことが続く」「意識がもうろうとしている」「ひきつけをおこした」など、インフルエンザ脳症が疑われる症状がみられた場合には、救急車を呼ぶなどするか、至急小児救急医療を行う病院につれていく必要があります。

肺炎

インフルエンザによる肺炎は、高齢者と子どもで発症原因が異なります。

高齢者の場合

高齢者の場合、インフルエンザウイルスが直接的に肺炎を引き起こすことは少なく、細菌(肺炎球菌など)による細菌性肺炎が多くみられます。

インフルエンザを発症して気道が炎症を起こすと、細菌やウイルスに対する防御機能が低下します。このような状況では、気道に付着した細菌が排出されずに肺に感染し、細菌性肺炎を発症してしまいます。

高熱ではないが熱がなかなか下がらない、咳が長く続く、呼吸があらい、などの症状がみられる場合、細菌性肺炎を疑う必要があります。もともと他の病気を持っていて全身状態が悪い方や、抵抗力が低下している高齢者は細菌性肺炎を発症しやすく、重症化してしまう傾向が高いので注意が必要です。

子どもの場合

一方、子どもの場合には細菌による肺炎より、インフルエンザウイルスが直接的な原因となるインフルエンザウイルス肺炎を発症することがあります。子どもに起こる肺炎は高齢者に比べてはるかに少ないのですが、症状が悪化していないかをきちんと観察することが大切です。

心筋炎

心筋炎とは、心臓の筋肉(心筋)に炎症が起こる病気です。心筋炎を発症すると不整脈が起こり、動悸などの症状が現れます。重症化すると、心停止する恐れもあります。

筋炎

筋炎とは、筋肉に起こる炎症のことです。下肢に起きることが多く、突然歩くことができなくなる、足を引きずって歩くなどの症状が現れます。この筋炎は、自然に治っていくことがほとんどです。

その他の合併症

そのほか、肝機能の低下や胃腸障害、中耳炎など、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。

インフルエンザの合併症より起こり得る後遺症

これらの合併症によって、まれに後遺症が残ってしまう場合があります。

たとえば、インフルエンザ脳症の後遺症としては、意識障害が長く続くことによる知能障害や、けいれんや麻痺などの運動障害が挙げられます。また、肺炎により呼吸機能が著しく低下して肺が十分に機能しにくくなったり、心筋炎によって起こった不整脈がその後も残ってしまったりすることがあります。

様子がおかしいと感じたら、早めに病院へ

インフルエンザは通常、自然に治っていく病気です。しかし、まれに後遺症を引き起こす合併症が起きたり、ときに命を落としてしまう病気でもあります。

特に、子どものインフルエンザ脳症は発症後、急激に悪化していきます。繰り返しにはなりますが、「言動がおかしいことが続く」「意識がもうろうとしている」「ひきつけをおこした」など、インフルエンザ脳症が疑われる症状がみられた場合には、救急車を呼ぶなどするか、至急小児救急医療を行う病院につれていくようにしましょう。

医学部卒業後、小児科医師として各地の病院で研鑽を積む。1978年からバンダービルト大学小児科感染症研究室で知見を広め、帰国後はWHO西太平洋地域事務局や国立感染症研究所感染症情報センター所長などを歴任。
現在は川崎市健康安全研究所所長の立場から、ジカ熱や梅毒などの感染症から川崎市民の健康と安全を守るべく、川崎市の担当者と連携して対策を講じている。

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