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子どもがインフルエンザに感染しても元気な場合は普段どおり過ごしてよいの?~日常生活の注意点や、登園・登校の目安とは~

子どもがインフルエンザに感染しても元気な場合は普段どおり過ごしてよいの?~日常生活の注意点や、登園・登校の目安とは~
宇田 和宏 先生

東京都立小児総合医療センター 感染症科

宇田 和宏 先生

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インフルエンザは、毎年12~3月に流行することが一般的で、主に38℃以上の発熱や体のだるさ、咳、鼻水などの症状が現れることで知られています。このような症状は、およそ1週間以内に軽快傾向に向かうことが多いです。ただし、子どもはときに熱性けいれん肺炎、脳症を起こすこともあるため、健康観察が重要です。一方で、インフルエンザにかかっても症状が現れないこと(不顕性感染(ふけんせいかんせん))や、軽い症状で済むこともあり、比較的元気な子どもも見受けられます。

では、このような場合は普段どおりに過ごしてもよいのでしょうか。また、登園・登校に関してはどのようにしたらよいのでしょうか。

子どもがインフルエンザの診断された場合、たとえ元気であっても数日間は様子が変わらないか観察しましょう。安静を心がけ、十分な睡眠をとることが大切です。また、食事は最初のうちは柔らかく消化によい食べ物を中心に食べさせ、少しずつ普段の食事へと戻すとよいでしょう。

インフルエンザと診断されて抗ウイルス薬(ウイルスの増殖を抑える薬)を処方された場合は、解熱しても自己判断で中断しない方がよいです。医師や薬剤師の指示に従って用法用量を守り、最後までしっかりと薬を服用しましょう。一方で、解熱剤など症状に合わせた薬は、症状がよくなっていれば中止しても問題ありません。

子どもがインフルエンザに感染したときは、たとえ元気な場合でもすぐに登園や登校を再開することは控えましょう。なぜなら症状が軽い場合でも感染から数日間はウイルスを排出しており、周囲の人にうつしてしまう可能性があるからです。

学校保健安全法によれば、インフルエンザに感染したときは発症から5日経過し、かつ解熱から2日経過するまでは学校を休み、自宅で安静にする必要があります。この期間を“出席停止期間”といいます。たとえば、月曜日に解熱した場合、火曜日、水曜日の2日間は学校を休み、木曜日から学校に通うことが可能です。

保育園や幼稚園の場合には、発症から5日経過し、かつ解熱から3日経過するまでは登園を控える必要があります。保育園や幼稚園が学校と比較して出席停止期間が長い理由は、小さな子どものほうがインフルエンザウイルスの排出期間が長いと考えられているためです。また、一度解熱しても再び発熱することがあるため、乳幼児ではより慎重な通園再開基準になっています。

これまでは子どもがインフルエンザに感染した後の生活について解説しましたが、それ以前にインフルエンザの流行に備えて、子どもにインフルエンザワクチンを接種させることも非常に大切です。インフルエンザワクチンには、“発症を予防する効果”と“重症になるのを予防する効果”があることが分かっています。発症を予防する効果については、他のワクチン(麻疹風疹(ましんふうしん)ワクチンなど)よりもその効果がやや弱いですが、感染してしまった際に重症になる可能性や、通園・登校ができなくなり、保護者が仕事を休まなければならないなどの社会的な影響が大きいことを考えると、しっかりワクチンを接種しておくことが重要です。

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