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インフルエンザによる下痢-原因や食事の注意点

インフルエンザによる下痢-原因や食事の注意点
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

この記事の最終更新は2018年02月20日です。

インフルエンザにかかると、吐き気や下痢、腹痛といった消化に関するの症状が現れることがあります。この記事では、インフルエンザと消化器症状の関連性について解説します。

インフルエンザに罹患すると、発熱や咳だけでなく、以下のような消化管症状が現れることがあります。

など

下痢や腹痛などの現れやすさは、感染したインフルエンザウイルスの型によって異なります。

インフルエンザにかかることで下痢などの消化器症状が出る理由は、完全には解明されていません(2018年2月時点)。

消化管の粘膜細胞にウイルスが感染することで炎症反応が引き起こされ、下痢などの消化器症状が生じると考えられています。

またインフルエンザウイルスに感染することで、腸内の細菌叢(さいきんそう:細菌の集まり)が乱れてしまい、下痢などが起こるという説もあります。

気道系の細胞にインフルエンザウイルスが感染すると、気道系を中心に炎症が起こります。炎症細胞はリンパや血流にのって腸管へ辿り着き、腸内で細菌叢を乱すといった影響を及ぼす可能性が指摘されています。

インフルエンザウイルスが、消化管粘膜細胞の表面タンパク質の状態を変化させる可能性も考えられています。表面タンパク質に変化が起きた粘膜細胞は、大腸菌による攻撃を受けやすくなります。この結果、下痢が起こることもあり得ると考えられています。

これらは2018年2月現在考えられている可能性であり、議論の余地も残されています。

インフルエンザの流行時期は、他のウイルスによる胃腸風邪の流時期と重なります。インフルエンザが治癒した後にも下痢が続く場合には、他の病気に感染している可能性も考える必要があります。

また、薬による副作用の可能性も考えられます。

下痢は大人よりも子どもにみられることが多く、脱水に注意することが必要不可欠な症状です。周囲の方は、こまめに水分補給させることを心がけましょう。

水分補給の方法としては、口から水分をとる経口補水が有効とされます。下痢により失ってしまった水分を補うために、少量ずつでも水分を飲ませてあげましょう。ご自身がインフルエンザで下痢をしているときも、水分をこまめに摂るよう心がけてください。

脱水症状が強い場合には点滴による補液が行われます。また、整腸剤などが処方されることもあります。

刺激が少ないうどんなどを食べるようにしましょう。インフルエンザではなく一般的な胃腸炎による下痢のときも、同様にお腹に刺激のない食事をとることをおすすめします。

体の外に出された下痢の中から、インフルエンザウイルス由来のRNAが検出される例もあることが知られています。他人への感染性が保たれているかどうかは明らかではありませんが、下痢の処理には注意を払ったほうがよりよいと考えられます。お子さんの看病をしていてオムツや吐物の処理を行った後には、手洗いを徹底することが大切です。

インフルエンザに感染して、下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることは稀ではありません。下痢症状がある場合、脱水により全身状態の悪化につながる危険性があります。そのため、こまめな水分補給など、脱水を防ぐための対処を行うことが重要です。

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