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インフルエンザの治療―抗インフルエンザ薬は症状改善を1日早める
冬に大流行するインフルエンザ。治療の中心は抗インフルエンザ薬ではなく、安静にして睡眠を十分にとることですが、実際には抗インフルエンザ薬はどのような効果があるのか?飲むべきなのはどのような時なのか...
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インフルエンザの治療―抗インフルエンザ薬は症状改善を1日早める

公開日 2015 年 05 月 14 日 | 更新日 2018 年 02 月 20 日

インフルエンザの治療―抗インフルエンザ薬は症状改善を1日早める
岩田 健太郎 先生

神戸大学大学院医学研究科 感染治療学分野 教授

岩田 健太郎 先生

冬に大流行するインフルエンザ。治療の中心は抗インフルエンザ薬ではなく、安静にして睡眠を十分にとることですが、実際には抗インフルエンザ薬はどのような効果があるのか? 飲むべきなのはどのような時なのか? 神戸大学感染治療学教授の岩田健太郎先生にお聞きしました。

抗インフルエンザ薬の効果は?

インフルエンザ治療の基本は、安静にして睡眠を十分にとることであり、抗インフルエンザ薬を飲むべきかどうかはケースバイケースです。実際には「症状の改善を1日程度早める」というのが抗インフルエンザ薬の効果です。また、抗インフルエンザ薬の効果があるのは発症から48時間以内です。48時間を過ぎると効果がないので、ほぼ使わないと考えて良いでしょう。漢方薬も概ね似たような効果があります。

48時間以内の場合には状況次第で、タミフル®などの抗インフルエンザ薬を使うか、あるいは漢方薬を使うか、どちらも使うか、どちらも使わないかの4通りの選択肢があります。これは自分自身の場合は患者さんの希望次第にしています。どちらも飲むこともありえますし、どちらも飲まないこともあるのです。

抗インフルエンザ薬をお勧めするケース

それでも、抗インフルエンザ薬を使うべきシーンがあります。それは重症化リスクが高い場合です。たとえば、妊婦さん、免疫が極度に弱っている人、肥満の方、高齢者などは抗インフルエンザ薬を勧めます。「高齢者」というくくりも今は難しく、状況次第で異なります。自分は概ね80歳代は出す、70歳代は大体出す、60歳代であれば元気な方なら漢方でもOKといった印象ですが、一概には言えないというのが実情です。

子どもと抗インフルエンザ薬

子どもの場合も、抗インフルエンザ薬を使用するかどうかはケースバイケースです。アメリカのデータでは、抗インフルエンザ薬は生後2週間から飲めるとされています。

「10歳代の子どもがタミフル®を内服してビルから飛び降りた」というニュースが一時期注目を浴びました。しかし、インフルエンザそのものによっても、中枢神経症状(脳症)を起こし、異常行動をすることがあります。このため、ニュースにおける異常行動がタミフルの影響なのかインフルエンザそのものの影響なのか、はっきりしません。タミフル®を子どもに処方する場合は、保護者と相談した上で飲んでもらっていますが、概ね7割くらいは飲まないケースです。

いずれにしても、子どもがインフルエンザになってしまったときは、タミフル®を飲んでいるかいないかにかかわらず、脳症(中枢神経症状)を起こす可能性があります。このため保護者の方は、子どもをきちんと注意してみてあげることが重要です。

記事1:インフルエンザとはどんな病気?―インフルエンザウイルスの有無を議論することには意味がない
記事2:インフルエンザワクチンの効果と副作用
記事3:お風呂に入っても大丈夫?―インフルエンザワクチンを打った後に気になる3つの疑問
記事4:インフルエンザワクチンを打つべき人とは
記事5:インフルエンザの予防接種ーいつどんな病院で受ける?
記事6:インフルエンザの治療―抗インフルエンザ薬は症状改善を1日早める
記事7:インフルエンザ-タミフル®の予防投与についての考え方
記事8:インフルエンザの検査とは 検査なしでも診断書はもらえる
記事9:インフルエンザの予防について
記事10:インターネット上の医療情報についての考え方―医療における「正しさ」は難しい
記事11:高病原性鳥インフルエンザ:H5N1型について
記事12:インフルエンザの基礎知識
記事13:インフルエンザの治療法 安静と睡眠が治療に大切
記事14:インフルエンザの治療―4つの抗インフルエンザ薬に対する考え方
記事15:インフルエンザの治療-漢方薬について

日本の感染症診療の第一人者およびオピニオンリーダー。医学だけでなく哲学から社会科学まで幅広い分野において造詣が深く、多くの著作で知られる。臨床医としては「臨床とは常に正解があるものではなく、ケースバイケースでありさまざまな選択肢を持ちながら一人一人それぞれにあった治療を考える」姿勢で、科学者としては「常にフェアな立場でさまざまな事象をみる」姿勢で医学と向き合い続けている。

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