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インフルエンザの咳はいつまで続く?長引く咳の注意点

インフルエンザの咳はいつまで続く?長引く咳の注意点
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

この記事の最終更新は2018年02月20日です。

インフルエンザにかかると、咳が出ることもあります。咳が出る時期は、インフルエンザを発症してから1〜2日ほど後になる傾向があるようです。

インフルエンザを発症すると、3〜5日ほどの発熱が続いたあと、熱が下がり治癒傾向へと向かいます。

ただし、インフルエンザによる咳は、熱が下がったあとも長引くことがあります。

インフルエンザの発症から1〜2週間ほど、咳が残存することもあります。また体がだるいといった全身倦怠感も、咳と同様に熱症状よりも長引く傾向があります。

インフルエンザは咳をひとつの特徴する感染症です。しかし、咳はすべての方に現れるわけではありません。

インフルエンザウイルスのタイプや量、感染した人の年齢や免疫状態など、さまざまな因子により症状は変わってきます。

「咳が出るからインフルエンザである」、「咳が出ないからインフルエンザである」とはいえないことも報告されています。

発熱がなく症状は咳だけという場合でも、インフルエンザにかかっていることがないわけではありません。また咳だけでなく鼻水が出ることもあれば、鼻水が出ないこともあります。

咳が出るタイミングや熱、鼻水などとの関連性などだけで、インフルエンザであるかどうかを判断することは困難です。

患者さん一人ひとりに現れる症状は、インフルエンザのタイプのみにより決定されるものではありません。そのため、「A型だからひどい」「B型だから軽い」ということはできません。

インフルエンザの咳は、基本的には発症から2週間ほどで改善します。しかし、もともと喘息COPD慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患を持っている場合にはこの限りではありません。インフルエンザによってこれらの基礎疾患が増悪し、咳が長引くことがあります。

また、インフルエンザの経過中に細菌性肺炎を合併することもあります。一度熱が下がり、インフルエンザの発症から2週間ほどが経過してから肺炎を発症することもあります。このように「インフルエンザが治った」と思われるタイミングで細菌性肺炎を発症した場合、再び発熱し、咳症状もより悪くなる傾向があります。

肺炎を発症すると痰が作られることがあるため、痰詰まりによって呼吸が苦しいと感じることもあります。

2009年に新型インフルエンザが大流行した際には、インフルエンザの続発症として起こった細菌肺炎により亡くなる方も出ています。咳がひどくなっていくときや長引くときには注意が必要です。

インフルエンザウイルスは、咳により飛んだ唾液などの飛沫を介して周囲に広がることがあります。そのため、インフルエンザで咳が出ている場合には、「咳エチケット」とも呼ばれるマナーを守ることが大切です。

  • 手やティッシュなどで口元を覆う(ティッシュはすぐに蓋のあるゴミ箱に捨てましょう。)
  • 咳をするときは人のいない方を向く

また不織布マスクをつけることも、感染予防の観点からある程度の効果を期待することができます。

咳はインフルエンザウイルスを体外へと出すための手段です。そのため、咳止め薬(鎮咳薬)は必ずしも適応にはなりません。

咳があまりにひどい場合、肺炎などの合併症を発症していないか確認する必要があります。市販薬で咳を止めようとするのではなく、医療機関を受診して診療を受けることが大切です。

なお、咳に伴って痰が出ることもあります。この際には、去痰薬の使用、部屋の加湿、水分補給などにより、痰を出すことが重要です。

インフルエンザによる咳は、ウイルスに対しての防御反応に関連した症状ともいえます。ただし、インフルエンザにかかったからといって、必ず咳が出るわけではありません。

発症後2週間ほど長引くことがあるインフルエンザの咳ですが、途中で呼吸困難感を感じたり、咳が2週間を超えて長引くときには他の病気の可能性も考えられます。咳症状がどんどんひどくなっていく場合や、一旦下がった熱が再び出た場合などには医療機関を受診しましょう。

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