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かぜやインフルエンザにかからないための対策を解説!

かぜやインフルエンザにかからないための対策を解説!
渡部 厚一 先生

筑波大学 体育系 准教授

渡部 厚一 先生

目次
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かぜ・インフルエンザともに主としてウイルス感染によって起こります。さまざまな種類のウイルスがいる中でも、インフルエンザウイルスは流行時期が決まっており、感染力が強いため、インフルエンザは流行性とも呼ばれています。

ウイルスが含まれる分泌物が付着した手で自分の粘膜部分(目、口、鼻)を触ったり、感染者のせきやくしゃみから出た飛沫を吸い込んだりすることで感染します。

かぜの原因となるウイルスにはライノウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザなどさまざまな種類があります。

また、インフルエンザ発症の原因となるインフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つの型があります。このうち、秋から冬にかけて広く流行する季節性インフルエンザの原因になるのは、A型とB型です。季節性インフルエンザ以外にも新型インフルエンザなど、世界的な大流行を引き起こしかねないタイプのインフルエンザが存在します。

典型的な症状には、鼻水、鼻づまり、せき、喉の痛み、悪寒・戦慄、発熱(インフルエンザの場合は38度以上の高熱)が挙げられます。筋肉痛などの症状が現れることもあります。

体力のない高齢者や乳幼児などでインフルエンザが重症化した場合は、入院が必要なこともあります。

さらに見落としがちなのは、普段から激しい運動をしている人やアスリートほどかぜをひきやすいということです。日常的に体を鍛えているアスリートは、体が丈夫で免疫力も高くかぜにかかりにくいと思われがちかもしれません。確かに、適度な運動は免疫力を向上させる効果がありますが、マラソンやフットボールなどの激しい運動をすると、逆に免疫力が低下してしまうのです。免疫力が低下すればウイルスの体内への侵入を防ぎきれず、かぜやインフルエンザにかかりやすくなります。

過去の研究では、激しい運動をしている人はしていない人に比べてかぜにかかる確率が2~6倍に増えたという報告もあります。つまり、激しい運動をしている人やアスリートほど、かぜやインフルエンザにかからないための対策が必要になるのです。

インフルエンザは秋~冬にかけて集中的に流行します。普通のかぜは原因となるウイルスの種類によって活動時期が異なるため、流行時期が一定ではなく、季節を問わず感染する可能性があります。

インフルエンザの症状はかぜよりも重く、感染力が強いことが特徴です。発熱・倦怠感・筋肉痛・関節痛などの全身症状が比較的強く認められ、喉の痛み・せきなどの呼吸器症状を伴います。

インフルエンザの感染経路は飛沫感染や接触感染です。

かぜの感染経路もインフルエンザとほとんど同じですが、ウイルスの感染力が異なります。

かぜ・インフルエンザ対策には、体にウイルスが侵入すること自体を防ぐ対策と感染による重症化を防ぐための対策が挙げられます。前者には手洗い・うがい・マスク着用などが、後者には予防接種を受けることが挙げられます。

また、睡眠、食事などでも感染症予防策を意識することが大切です。かぜやインフルエンザにかからない・重症化しないためには、粘膜の免疫を活性化させてウイルスを体に取り込まないことも大切です。特に腸管には免疫細胞が多く存在しており、近年の研究によって腸内細菌が腸管免疫の機能を向上させることが明らかになってきています。

上述のように、予防接種はインフルエンザの重症化を防ぐために大切なインフルエンザ対策の1つです。ただしそれ以上に大切なことは、そもそも体にウイルスが侵入してくるのを防ぐための対策を行うことです。このことはインフルエンザのみならず、かぜ対策にもつながります。

日常生活面ですぐにできる対策として、まず、流水や石鹸による手洗いやうがいは、手指や喉についたウイルスを除去する効果が期待できます。外出した後や食事の前など、手洗い・うがいや手指のアルコール消毒を習慣づけることが大切です。

マスクがもっとも効果を発揮するのはせきやくしゃみなどの症状がすでにある人が着用した場合で、ウイルスを含んだ飛沫による周囲への感染を減少させることができるのです。

また、空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、かぜやインフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

さらに、体力が低下しているとウイルスに感染しやすくなります。栄養とともに十分な睡眠をとり、適度な運動をして体力維持に努めてください。

インフルエンザ対策としては、まず予防接種が挙げられます。予防接種では、不活化したウイルス成分を体内に注入することで、インフルエンザウイルスと戦う抗体(侵入してきたウイルスなどの異物を体から追い出す対抗物質)をあらかじめ体内に作り、感染に備えます。

インフルエンザの予防接種には、インフルエンザの発症を抑える効果があります。発症を完全に抑えることはできませんが、予防接種によって体内に抗体が作られていれば、インフルエンザウイルスに感染したとしても軽症で済むことが分かっています。これに対して、ワクチンを接種していない状態の体にウイルスが入るとインフルエンザが重症化し、特に基礎疾患のある方や高齢者では肺炎や脳症など重い合併症が起こる恐れがあります。

  • ビタミンCの摂取

ビタミンCには、ウイルス不活化(ウイルスの感染力を失わせる)作用や白血球の免疫機能を増強するはたらきがあります。このため、食事からビタミンCを摂取することで、細菌やウイルスなどから体を守る効果が期待できます。ビタミンCのかぜに対する効果の研究は古くは1950年代よりあり、いまだに議論の余地を残しているところですが、ビタミンCには免疫力を低下させる“活性酸素”を抑えるはたらきもあるため、この点から免疫力を高める効果が期待できるでしょう。

  • ビタミンDの摂取

ビタミンDには、必要な免疫機能を促進し、過剰な免疫反応を抑える“免疫調節”のはたらきがあります。このため、ビタミンDを摂取することで体内に侵入したウイルスに対する抵抗力が高められ、かぜやインフルエンザ対策になると考えられています。また、ビタミンDは日光にあたることによって合成されるため、1日30分ほどを目安に太陽の光を浴びることも大切です。

善玉菌の1つである乳酸菌といえば整腸作用が有名ですが、そもそも乳酸菌には免疫作用といって、免疫機能を活発にさせてウイルスへの抵抗力を強化するはたらきがあります。

免疫機能のなかでも、分泌型のIgAという免疫物質は主に体のバリア機能としてはたらき、ウイルスや細菌の体内への侵入をくい止める役割を担っています。

以下のデータのとおり、IgAが一定基準値を下回るとかぜやインフルエンザを発症しやすくなるため、かぜ・インフルエンザ対策のためにはIgAの分泌を促して体のバリア機能を保つことが大切です。

出典:Med Sci Sports Exerc.:40.1228-36.2008
出典:Med Sci Sports Exerc.:40.1228-36.2008

また、ヒトの免疫を司る細胞の6~7割は腸の中に存在しているともいわれるため、IgAの分泌を促進する乳酸菌を摂取することで小腸粘膜にある免疫細胞が活性化し、免疫力を高める効果が期待できます。

下図は乳酸菌摂取によるかぜ対策への効果を検討するために、健康な女性30名を対象にして行った過去の比較試験のグラフです。この調査によれば、IgAの分泌を促進する乳酸菌を毎日20億個、21日間摂取したグループは、乳酸菌を摂取しなかったグループに比べて統計的に意味のあるレベルで唾液中のIgA分泌量が増加したという結果が出ています。

出典:Kishi K.et al.,Jpn J Lactic Acid Bact.;17,2,132-36,2006より改変
出典:Kishi K.et al.,Jpn J Lactic Acid Bact.;17,2,132-36,2006

これらの研究結果から、IgAの分泌を促進するタイプの乳酸菌を毎日20億個以上継続的に摂取することで体の免疫機能を高め、インフルエンザやかぜへの罹患を防ぐ効果が期待できます。

かぜやインフルエンザは飛沫・接触感染するため、喉や鼻、目の粘膜からウイルスが直接侵入して感染が起こることがあります。また、感染者が使用した物にウイルスが付着しており、知らずにそれを触って感染することもあります。このように、対策をしているつもりでも意外なところからウイルスは侵入を試みてきます。インフルエンザやかぜは誰でもかかる可能性がある病気の1つですが、日々の生活で乳酸菌を継続的に摂取して免疫力が高い体を作っておけば、ウイルスや細菌の侵入を防げるため、かぜ・インフルエンザ対策につながります。

また、先に述べたように、普段から激しい運動をする人は免疫力が低下しやすい傾向にあるので、特にかぜ・インフルエンザ対策への意識を払うことが大切です。今回取り上げた “手洗い・うがい・マスク着用”“予防接種”“かぜ・インフルエンザ対策を意識した食生活を送る”の3点を日常生活で意識的に行い、かぜとインフルエンザの対策をしましょう。

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