インタビュー

時期ごとの妊婦健診と超音波検査 妊娠24週~36週未満

時期ごとの妊婦健診と超音波検査 妊娠24週~36週未満
松岡 隆 先生

昭和大学 医学部産婦人科学講座 准教授

松岡 隆 先生

この記事の最終更新は2016年02月25日です。

『時期ごとの妊婦健診 妊娠初期~11週』『時期ごとの妊婦健診 妊娠12週~24週未満』と妊婦健診の検査内容および注意点についてご紹介しました。今回は、妊娠後期(24週~36週)の健診の内容と、全期にわたって行われる超音波検査についてご説明します。超音波検査は2種類がありますが、妊婦健診で行われるのは通常健診という種類のものです。その一方で、胎児超音波検査という特殊な検査も存在します。妊娠後期の妊婦健診詳細と超音波検査の概要を、昭和大学医学部産婦人科学講座准教授の松岡隆先生にお話頂きました。

血圧、尿、体重、子宮底長、腹囲は、時期に関わらず健診ごとに計測します。(詳細は『妊婦健診の内容 基本的な検査では何を行うのか』

B群溶血性連鎖球菌(GBS)は常在菌で、人間の体のどこにでもいる細菌です。非常に弱い菌なので、妊婦さん自身に影響を及ぼすことはありませんが、産道にGBSがいると赤ちゃんに感染してしまう恐れが生じます。感染が成立すると、新生児GBS感染症という重大な病気を引き起こすことが稀にあります。検査は分娩前に適宜、帯下(おりもの)を検査し産道に細菌がいないかを調べます。万が一GBSがいる場合、分娩時に適切な抗生剤の投与がなされます。

ノンストレス=子宮収縮のない状態のときに行われ、赤ちゃんの心拍数を調べます。胎児心拍数モニタリングともいいます。

赤ちゃんの心拍数の変化と子宮の収縮を一定時間かけて観察し、胎児が元気かどうかをじっくりと観察します。通常は妊娠10カ月の出産直前に行われますが、早産傾向の妊婦さん、妊娠高血圧症候群の妊婦さん、胎児発育不良の可能性がある場合などでは、妊娠後期以外にも適宜行うことがあります。所要時間は20~40分とされています。

超音波検査は、通常検査と胎児超音波検査の2種類があります。

通常検査は赤ちゃんの大きさを見る検査で、健診時に通常に行われる超音波検査のことをいいます。推定体重や頸管長(子宮の出口の部分)を計測がこれにあたります。広義の出生前検査となる胎児超音波検査は、通常検査と異なるため、インフォームドコンセントを取ってから行うのが望ましいとされています。

胎児超音波検査では、後頸部皮下浮腫(NT肥厚)を含むようなドックを行う施設があります。

※NT肥厚…妊娠初期の超音波検査に含まれる。赤ちゃんの後頸部皮下に、液体が溜まって見えること。この厚さが一定以上の場合、先天異常の可能性が少し上昇することが分かっている(ただし確定診断ではない)。

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