糖尿病というと、「肥満の人に多い」というイメージを持っている方も少なくないでしょう。確かに、2型糖尿病の方にそのような背景がある場合があります。
現在日本人女性に増加しており、糖尿病に比べると軽症である「妊娠糖尿病」もまた、この「肥満」がひとつのリスク因子となります。これに加え、社会問題となっている「高齢妊娠」の増加も妊娠糖尿病患者数が増えた原因と考えられています。このほかには、どのような遺伝的背景や経験(手術歴など)をもつ人が妊娠糖尿病にかかりやすいのでしょうか。愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学教授の杉山隆先生にお伺いしました。
以下に当てはまる人は、妊娠糖尿病になりやすいといわれています。
太っているとインスリン抵抗性は強まります。脂肪細胞は筋肉細胞などとともに「インスリン感受性組織」と呼ばれており、本来であればすい臓からインスリンが分泌されるとブドウ糖を細胞内にとり込みます。
しかし、肥大化した脂肪細胞からは悪玉のアディボサイトカインという因子が分泌され、善玉のアディポサイトカインの分泌の低下も加わり、これらがインスリンの働きを妨げてブドウ糖のとり込みを悪くしてしまいます。ですから、もともと太っている方(脂肪細胞が大きい方)の脂肪細胞が、妊娠することによりさらに大きくなると、インスリン抵抗性はより強くなってしまうのです。
また、妊娠年齢が高くなるほど妊娠糖尿病のリスクが上がることも、海外のデータにより示されています。
2008年にアメリカのカリフォルニア州で報告された「年齢別の妊娠糖尿病の推移」によると、25歳未満では妊娠糖尿病患者が10年間でほとんど変化がないのに対し、25歳~34歳では25歳未満の患者数の約5倍、34歳以上の妊婦では約8倍にまで増えています。
ただし、白人は黄色人種とは脂肪のつき方が異なるため、この数字が日本人の妊婦さんにそのまま当てはまるわけではありません。経済協力開発機構の「肥満比率の各国比較」(2007年)によると、日本における肥満率は全人口の5%未満であるのに対し、アメリカでは35%となっています。
(※本データの肥満とはBMI30以上のことを指します。日本では肥満はBMI25以上のことを指しますが、アメリカでは肥満はBMI30以上と定義されています。)
しかし、白人のほうが黄色人種に比べてインスリン分泌能がよいという有名な遺伝的背景があるため、日本で同様に「年齢別の妊娠糖尿病の推移」を調査した場合、より高い数字が出ると考えられます。
愛媛大学医学部附属病院 病院長、愛媛大学 副学長、愛媛大学大学院 医学系研究科 産科婦人科学講座 教授
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