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インタビュー

妊娠糖尿病の治療① 妊娠中の食事療法とインスリン療法

妊娠糖尿病の治療① 妊娠中の食事療法とインスリン療法
杉山 隆 先生

愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学教授

杉山 隆 先生

妊婦さんと胎児、新生児に危険な合併症をもたらす可能性が高い「妊娠糖尿病」。

胎児が大きく育ちすぎてしまったり(巨大児)、妊婦さんが重篤な妊娠高血圧症候群などを合併してしまった場合には、分娩時の危険が非常に高くなります。このようなリスクを回避するために、妊娠糖尿病と診断された妊婦さんはどのような治療や生活改善に取り組む必要があるのでしょうか。愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学教授の杉山隆先生にお伺いしました。

妊娠糖尿病と診断されたら、まずは子宮内の環境を是正することが重要です。血糖値のコントロールに加え、体重増加にも気をつけねばなりません。そのため、妊娠糖尿病患者さんの多くは食事療法による治療を行うことになります。まずは標準体重をもとに1日に必要なエネルギー量を割り出し、その数字に妊娠時に必要な「付加量」を加えて1日の摂取カロリーを算出します。(1日に必要なエネルギー量=標準体重×30kcal/kg)

※ただし、肥満の方には、このエネルギー付加は行いません。

【付加量】

●妊娠初期 50kcal

●妊娠中期 250kcal

●妊娠後期 450kcal

●授乳期  350kcal

カロリーを調整するだけでなく、食後の血糖値の大きな変動を防ぐために、食事のとり方についても以下のことに注意しましょう。

●咀嚼回数を増やす

●ゆっくり食べる

●食物繊維の多い野菜などから食べる

食事療法だけでは血糖値に改善がみられない場合、1日に4~5回の頻回注射や、持続皮下注入によるインスリン療法を行います。内服薬(経口血糖降下薬)による治療は安全性が確立されていないため妊娠中には用いませんが、多くのインスリンは赤ちゃんには影響しない(胎児へは移行しない)ので、妊娠中にも用いることができるのです。

インスリンの効き具合は、妊娠初期は比較的よいのですが、インスリン抵抗性が強くなる妊娠後半期に入りますと悪くなります。そのため、妊娠後期には必要なインスリン量が妊娠前の約2倍にまで達するといわれています。インスリンの分泌が悪いと、必要量を自身の力だけで補うことは難しくなります。ですから、妊娠初期には食事療法のみを行っていた方でも、中期以降はインスリン療法が必要になることもあります。

さらに、出産を終えるとインスリン拮抗ホルモン(胎盤から分泌されるインスリンの働きを抑えるホルモン)の作用が解除されるため、インスリン必要量は減少します。

このことからもわかるように、必要なインスリンの量は妊娠中にも産後にも大きく変化するため、インスリン療法を行う際には、自宅でできる「血糖自己測定(SMBG)」をチェックすることにより、投与量を調節することが重要です。

食育がとても重要です。

健康的な食習慣とは、本来病気を発症する前から、お母さんやお父さんをはじめ家族全員で常に意識して取り組むことが大切です。ご両親が食べ過ぎ傾向にあるご家庭では、子どもも自然と食べ過ぎる傾向に向かいやすくなります。ですから、赤ちゃんが生まれる前から栄養バランスのとれた食事を家族みながとることを、家庭内で習慣づけることはよいことです。

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