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にんしんとうにょうびょう

妊娠糖尿病

最終更新日
2020年12月17日
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2020/12/17
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて診断された糖代謝異常のことです。妊娠前から糖尿病と診断されている場合には、“糖尿病合併妊娠”とよばれます。妊娠前に診断されていなかったものの糖尿病であった可能性がある場合には“妊娠中の明らかな糖尿病”とよばれます。“妊娠中の明らかな糖尿病”は妊娠糖尿病よりも重度なため、より厳密な血糖のコントロールが必要です。

日本産科婦人科学会によると、妊婦の7~9%程度は妊娠糖尿病と診断されるとされています。妊娠糖尿病を放置していると、母体だけでなく胎児にも影響が出るため、妊婦健診を定期的に受けることが大切です。

妊婦健診では、妊娠初期と妊娠中期に血糖値のスクリーニング検査が行われ、糖代謝異常が疑われる場合には診断のための検査が必要になります。特に肥満の人、家族に糖尿病の人がいる場合、高年妊娠(35歳以上の初産)、以前に4,000g以上の大きな赤ちゃんを出産したことのある人などは、妊娠糖尿病を発症する可能性が高いため注意が必要です。妊娠糖尿病では赤ちゃんの過剰発育や妊娠高血圧症候群、帝王切開、新生児低血糖新生児黄疸(しんせいじおうだん)などのリスクが高くなることが知られています。

また、妊娠糖尿病を発症した人は、産後に改善したとしても2型糖尿病を発症するリスクが高いため、食事や運動などの生活習慣に気を付けたほうがよいと考えられています。

原因

食べ物が消化吸収されると血糖値が上昇しますが、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンとよばれるホルモンによって血糖値は低下します。

妊娠後半期(妊娠20週以降)に生じるインスリンの効きが悪くなる主な原因は、胎盤から分泌されるホルモンだと考えられています。妊娠すると、胎盤からインスリンのはたらきを抑えるホルモンが分泌されるので、インスリンが効きづらくなり血糖値が上昇しやすくなります。

何らかの原因でインスリンの効きが悪くなったり、インスリンの分泌が不十分になったりするのに加えて妊娠後半期に生じる生理的なインスリンの効きが悪い状態になると血糖値のコントロールがうまくできなくなり、血糖値が高くなります。

症状

妊娠糖尿病による自覚症状はほとんどないため、妊婦健診の血糖検査で早期に気付くことが大切です。

検査・診断

日本産科婦人科学会は、妊娠初期と妊娠中期の妊婦健診で妊娠糖尿病のスクリーニング検査を行うことを推奨しています。スクリーニング検査で陽性、または尿検査で尿糖の陽性が続いたときには、診断のための75g経口ブドウ糖負荷試験が行われます。

スクリーニング検査

一般的に、妊娠初期に随時血糖、妊娠中期に50gブドウ糖負荷試験がスクリーニング検査として行われます。随時血糖とは、普通に食事をした状態での血糖値を採血によって調べる方法です。50gブドウ糖負荷試験では、ブドウ糖の入った検査用の飲み物を飲んで、1時間後に採血で血糖値を調べます。

75g経口ブドウ糖負荷試験

空腹の状態で、ブドウ糖の入った検査用の飲み物を飲み、飲用前(空腹時)、飲用1時間後、2時間後の3回採血をする方法です。空腹時血糖92mg/dL以上、1時間後の血糖180mg/dL以上、2時間後の血糖153mg/dL以上のどれか1つでも当てはまると妊娠糖尿病と診断されます。

治療

妊娠糖尿病の治療では、母体と胎児に異常が起きないように血糖値を厳重にコントロールすることが大切です。

食事療法、運動療法、インスリン療法などを合わせて行い、血糖値は食前100mg/dL未満、食後2時間120mg/dL未満を目標にします。ただし、妊娠中は体調によって運動をしないほうがよいときもあるので、必ず主治医に相談しましょう。

運動は、食後に行うのがよいといわれています。血糖値の改善には、ウォーキング、ヨガ、エアロビクスなどの有酸素運動が効果的です。

予防

妊娠中の過度な体重増加や急激な体重増加は、妊娠糖尿病を発症しやすくなる要因だと考えられています。つまり、妊娠糖尿病を予防するためには栄養バランスのよい食事や体調に合わせた適度な運動を心がけ、体重増加を防ぐようにすることが大切です。

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