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子癇
「妊娠20週以降に初めてけいれん発作を起こし、てんかんや二次性けいれんが否定されるもの」です。要は、明らかな原因のない妊娠中のけいれん発作を「子癇」と定義づけています。 発作の発症時期より...
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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

「妊娠20週以降に初めてけいれん発作を起こし、てんかんや二次性けいれんが否定されるもの」です。要は、明らかな原因のない妊娠中のけいれん発作を「子癇」と定義づけています。

発作の発症時期より妊娠子癇、分娩子癇、産褥子癇と言います。日本で最も多いのは、「産褥子癇」であり、全発症数の44%を占めます。つまり、分娩が終わった後に特に注意が必要なのです。

原因

子癇の危険因子としては、妊娠高血圧症候群、10代の妊婦、初産婦、多胎妊娠、子癇の既往歴、HELLP症候群などがあります。特に妊娠高血圧症候群と診断された方は注意が必要です。重症な妊娠高血圧症候群に起こるというイメージが大きいですが、軽症の妊娠高血圧症候群の方も十分に発症する恐れがあります。

ではなぜ子癇は起こるのでしょうか。病態の詳細はまだ明らかになっていませんが、高血圧に伴う一過性の脳浮腫が原因だと言われています。血圧が急激に上がると、脳の血管は収縮して、脳に流れる血液の量を一定に保とうとします。これは脳に備わっている自動調節能です。しかし、血圧の高さがこの自動調節能の限界を超えてしまうと、脳の血管は拡張してしまい、脳に一気に多くの血液が流れ込みます。この血液量に血管が耐えられなくなると、血管から外へ血液の成分が流れ出します。この結果、脳が水浸しの状態になり、いわゆる脳浮腫の状態を引き起こします。

症状

子癇前症とよばれる、頭痛、眼華閃発、上腹部痛、反射亢進が出現した場合は発作が起きる可能性がありますので、注意深く経過を見ます。また、妊娠期に子癇前症が出現した場合には、早期の分娩(妊娠を負わせる)を考慮します。この子癇発作が反復すると次のようなことが起こってきます。まず脳浮腫が増悪しますので、脳ヘルニアを引き起こしたり、場合によっては死に至ります。また、子癇発作中は呼吸が停止した状態になりますので、胎盤に酸素がいかず、胎児機能不全、胎児低酸素血症、胎児死亡などが起きる可能性があります。また他にもお母さんが常位胎盤早期剥離、肺水腫、多臓器不全などを発症したりします。

検査・診断

子癇の発生機序は詳細までわかっていないため完全に予防することは難しいです。しかし、血圧が上昇することが誘因の1つであることは確かなので、妊婦健診での血圧の変動は注意して観察し、血圧が急激に上昇するようであれば入院管理などを行います。(詳しくは妊娠高血圧症候群の項へ)

また、子癇を発症した場合は、脳の状態(脳卒中など)の評価のためにCTや必要であればMRIを行うことがあります。脳卒中が見つかれば、脳神経外科、脳神経内科の先生と一緒に診ていきます。

治療

子癇の治療は3要素あります。救急救命処置、発作の制御と再発予防、早期の分娩です。

救急救命処置は、子癇が起きたまさにその時に行う治療になります。まずは呼吸を援助するために気道確保を行います。その後、酸素を送り込みます。また、誤嚥防止のために顔を横にします。けいれん時は口を激しく開閉したりしますので、舌を噛まないように工夫します。(舌圧へらといった医療器具を使用します)

発作の制御と再発予防は、子癇発作は強い光や大きな音に反応して起こることがありますので、静かな暗い部屋で安静を保ちます。時にはアイマスクなどを使用することもあります。さらに、薬物治療で発作を予防します。けいれん発作の予防のために硫酸マグネシウムを持続点滴し、血圧を下げるためにニカルジピンやヒドララジンを使用します。発作時の鎮静のためにジアゼパムなどを注射します。

妊娠・分娩中の子癇の場合には、胎児の状態に注意を払います。子癇発作後には、胎児の状態が急速に悪化する場合(胎児機能不全)が起きやすいため、早期の娩出を検討します。すぐに分娩ができそうになければ、原則帝王切開での分娩となります。妊娠を終わらせることで、血圧が下がり多くの場合は寛解します。

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