予防
近年、妊娠高血圧症候群のハイリスク群に対して低用量アスピリンの内服が発症リスクを低下させることが複数の研究により明らかになりました。
既往歴や家族歴などのほか、妊娠初期に子宮動脈の超音波検査による血流測定と特定の血清マーカー測定を組み合わせる方法です。しかし、まだ保険収載された検査・投薬ではなく、また発症原因が異なるものもあるため、現時点で確実な予防方法とはいえません。
治療が遅れて重症化すると母子ともに危険な状態に陥ることも少なくないため、そのような事態を予防するためには、定められた妊婦健診は必ず受け、何らかの体調不良がある場合は軽く考えずに医師に相談することが何より大切です。また、家庭での血圧測定が早期発見につながるとされており、一般家庭での血圧計普及率が世界でもっとも高いわが国では有望な検査法といえます。
妊娠中の食生活の乱れや体重の増え過ぎなども発症リスクを上昇させるとされてきましたが、体重増加は食事を管理しても止まらないこともあり、一方でやせ妊婦の発症も多くみられるため、予防にはつながりにくいのが実状です。ただ、急激な体重増加は発症と関連があるとされるため、暴飲・暴食は避けるほか、日常生活でも適度な休業などの自己管理を心がけましょう。
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