合併症
帝王切開では合併症が起こることもあります。分娩時の大量出血のほか、主に以下の合併症が挙げられます。
血栓塞栓症
血管内で小さな血の塊(血栓)ができる病気です。血栓がはがれて肺に到達し、肺塞栓症と呼ばれる重篤な状態に陥ることがあります。妊娠中は普段よりも血流が滞りやすいことに加え、血を止める働きを持つ血液凝固因子が増加しているため血栓ができやすくなります。また、先天的に血液が固まりやすい特徴がある方は、さらにリスクが高くなります。
血栓塞栓症の治療としては抗凝固薬が使用されます。術後は血栓塞栓症を予防するため、弾性ストッキングや加圧ポンプの使用のほか、理学療法士による介入が行われます。術後はなるべく早くベッドから立ち上がって積極的に動くことを心がけましょう。
術後腹腔内癒着
帝王切開を含め、手術を行った後は組織同士がくっつき、癒着と呼ばれる症状がみられることがあります。癒着がみられた場合、下腹部の痛みや違和感、腸閉塞、不妊症などの症状がみられることがあります。帝王切開後の癒着の場合は、次回の帝王切開時に手術操作が難しくなるリスクもあります。これらを予防するために、術中に癒着防止剤を用いて癒着を起こさないような処置がされます。
帝王切開瘢痕症候群
帝王切開によって子宮に傷(瘢痕)が残り、過多月経や不正性器出血などの症状を引き起こし、不妊症の原因になることもあります。
帝王切開瘢痕症候群の治療としては、子宮鏡や超音波検査、MRIで子宮の状態を確認し、状態に応じて手術を行うほか、ホルモン治療を行うこともあります。
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