きゅうせいへんとうえん

急性扁桃炎

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

急性扁桃炎とは、中咽頭の一部である口蓋扁桃に急性炎症が生じた状態です。ウイルス性か細菌性か、重症度はどの程度かにより治療方法が異なります。

原因

一般に扁桃と呼ばれている口蓋扁桃は口腔奥、口蓋垂の両側にあります。口蓋扁桃はリンパ組織で免疫に関与しています。本来、鼻や口から侵入してくる病原体から体を守る働きをしています。しかし、口蓋扁桃に入ったウイルスや細菌が悪さをすることがあり、その場合に急性扁桃炎が発症します。

ウイルスではライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス、細菌では化性連鎖球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌など原因は多岐にわたります。HIV、梅毒、淋菌、クラミジアなどの性感染症も原因となります。

症状

のどの違和感から始まり、発熱や嚥下時痛などの症状が出現します。口臭を認めることもあります。全身症状として高熱、倦怠感、食欲低下なども出現します。また、炎症に反応して、頸のリンパ節の腫れや痛みを呈することもあります。炎症が周囲に広がると、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍を引き起こし、重篤化します。

溶連菌が原因の場合はリウマチ熱や糸球体腎炎を続発することがあります。リウマチ熱は適切な抗菌薬投与を行うことで予防が可能な疾患ですので、溶連菌感染症の診断は重要になります。

検査・診断

視診や内視鏡で口蓋扁桃や咽喉頭の炎症所見を確認します。治療方法は原因となっている病原体によって異なります。そのため、状況により迅速検査や細菌培養検査を併用します。溶連菌は咽頭拭い液を用いた迅速キットにより10分程度で診断可能です。発熱などの全身状態によっては血液検査で炎症反応やウイルス・細菌の抗体価を調べる場合もあります。口蓋扁桃周囲の炎症所見が強く扁桃周囲膿瘍を疑う場合にはCTで瘍形成の有無を確認します。

治療

軽症例でウイルス性の場合には対症療法が中心となります。具体的には、発熱や痛みに解熱鎮痛剤や消炎剤を使用し、痛みをおさえて食事がとれるようにします。細菌性の場合には抗菌薬の内服や点滴を行います。溶連菌が原因の場合、リウマチ熱の発症予防を目的として、ペニシリン系抗菌薬の10日間内服などを行います。

年に3-4回以上など扁桃炎を高頻度に繰り返している場合には、手術で口蓋扁桃摘出を検討します。口蓋扁桃を摘出して扁桃炎が起きなくなっても、咽頭炎や上気道炎は回避できません。手術・麻酔に伴う合併症もあるため、手術の適応に関しては耳鼻咽喉科専門医とよく相談することが重要です。

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