きゅうせいへんとうえん

急性扁桃炎

最終更新日:
2024年02月27日
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2024/02/27
更新しました
2017/04/25
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概要

急性扁桃炎とは、舌の付け根の両側にある口蓋扁桃(こうがいへんとう)*というリンパ組織がウイルスや細菌に感染することにより炎症を引き起こした状態です。かぜやストレス、過労などで抵抗力(免疫力)が落ちて、病原体の感染力が抵抗力を上回った場合に発症します。

幼児・学童期に多く発症する傾向があり、なかでも1年に4回以上、2年に5~6回以上急性扁桃炎を繰り返す“習慣性扁桃炎”は5~6歳の子どもによくみられます。子どもの発症が多いものの、抵抗力が落ちている大人も発症することがあります。

*口蓋扁桃:鼻や口から入ってくるウイルスや細菌から体を守るはたらきがある。一般的に6~7歳で最も大きくなった後は年齢を重ねるとともに小さくなり、成人になると目立たなくなる。

原因

急性扁桃炎の主な原因はウイルス感染で、そのうちもっとも重要な原因菌はA群β溶血性連鎖球菌です。

口蓋扁桃では、ウイルスや細菌を除去するために日常的に微小な炎症が起きていますが、健康な状態であればそれらの炎症は自然に治癒します。

しかし、かぜや睡眠不足、疲労の蓄積などが原因で抵抗力が落ちていると、口蓋扁桃に付着したウイルスや細菌が増殖し、急性扁桃炎を引き起こします。また、それらのウイルスや細菌は、喉の乾燥や急激な気温の変化でも増殖しやすいといわれています。

症状

急性扁桃炎の主な症状は、発熱や喉の痛み、体のだるさ、首のリンパ節の腫れなどです。喉の痛みが強い場合は、飲食が困難になる方もいます。

急性扁桃炎の初期症状はかぜとよく似ていますが、かぜ薬を服用してもなかなか軽快しにくいという特徴があります。

典型的な急性扁桃炎の場合は、口蓋扁桃の赤みや腫れ、あるいは白い膜のようなもの(白苔(はくたい))の付着が確認できます。症状が進行すると、炎症の範囲が広がって扁桃周囲炎を発症したり、がたまり膿瘍(のうよう)が形成されて扁桃周囲膿瘍を発症したりすることもあります。

扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍はほとんどが片側の口蓋扁桃に生じます。

飲食が難しいほどの喉の痛みや、38℃を超える高熱、耳の痛み、口臭、筋肉の炎症、口の開きにくさなど、多様な症状が現れることが特徴です。急性扁桃炎が子どもに生じやすいのに対し、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍は20~30歳代の成人に多くみられます。

検査・診断

急性扁桃炎が疑われる場合は、視診で口蓋扁桃の状態を確認したのち、内視鏡を用いた検査や血液検査を行うことがあります。そのほか、原因菌を特定するために咽頭の細菌培養検査などを行うこともあります。

治療

急性扁桃炎では、A群β溶血性連鎖球菌が原因である場合のみ、抗菌薬を用いた薬物療法を行います。ウイルスが原因の急性扁桃炎では、発熱や痛みなどの症状を抑えることを目的とした対症療法が基本になります。

ただし、喉の痛みが強く飲食ができない場合などは、ウイルス性、細菌性のいずれにおいても入院による点滴加療を行うことがあります。また、急性扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎では、口蓋扁桃を摘出する口蓋扁桃摘出術を検討する必要もあります。

予防

抵抗力の低下を防ぐために、規則正しい生活や十分な睡眠、バランスの取れた食事などが重要です。また、手洗いやうがいなども含めた感染症予防をしっかりと行いましょう。

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