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「扁桃炎」の症状を医師が解説-繰り返すのはなぜ?どんな場合に病院に行くべきなの?

「扁桃炎」の症状を医師が解説-繰り返すのはなぜ?どんな場合に病院に行くべきなの?
村上 信五 先生

名古屋市立大学医学部付属 東部医療センター 特任教授・高次ウイルス感染症センター長

村上 信五 先生

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この記事の最終更新は2019年10月21日です。

扁桃炎は扁桃に炎症が生じている状態を指し、誰でもかかりうる病気です。一般的には、急性炎症が生じた状態を急性扁桃炎といい、その症状が長く続いたり、年に数回繰り返されたりすると慢性扁桃炎といわれます。

では、これらの症状にはどのような特徴があるのでしょうか。また、どのような場合に医療機関の受診を検討したほうがよいのでしょうか。

この記事では、扁桃炎の症状や受診目安などの疑問について医師がお答えします。

主にのどの痛みや発熱、倦怠感などの症状が現れるとされています。

急性扁桃炎

急性扁桃炎の症状としては、扁桃の腫れに加え、多くの場合は発熱を伴います。原因となる病原菌の増殖は風邪や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が関連し、のどの乾燥や急激な気温の変化なども影響します。児童での急性扁桃炎で発熱を伴うものはウイルス感染によるものが多く、特に高熱になることがあります。

急性扁桃炎の初期症状は風邪と似ていることが多いため、悪化するまで気づかないことがほとんどです。38~40度近くの高熱を伴い、のどが痛み、扁桃が赤く腫れて食べ物や飲み物、さらには唾液まで飲み込めなくなるほどつらい症状を生じる場合もあります。

扁桃には白い斑点の(うみ)が付着し、それが広がって全体が白く覆われます。そのほかの症状としては、高熱による頭痛や関節痛、悪寒、さらには首のリンパ節が腫れて耳まで痛くなることもあります。

慢性扁桃炎

慢性扁桃炎は、急性扁桃炎のような高熱や咽頭の痛み、物を飲み込む際の痛みは少なく、咽頭の違和感、乾燥する感じ、ヒリヒリ感、刺激物がしみるなどが主たる症状となります。

また、慢性扁桃炎は慢性単純性扁桃炎、習慣性扁桃炎、扁桃病巣感染症の3つが含まれます。単純性扁桃炎は成人に発症することがほとんどであるという特徴があります。急性扁桃炎から移行する場合と、喫煙や飲酒、刺激となる化学物質の吸入などによる持続的な刺激が原因となります。

急性扁桃炎は繰り返されることがあり、これは慢性扁桃炎の1種である習慣性扁桃炎、もしくは反復性扁桃炎といわれます。習慣性扁桃炎は1年に4回以上、2年に5~6回以上の頻度で繰り返されるものを指します。炎症は深部まで達していることが多く、全身状態の変化によって炎症が広がることがあります。発症のピークは、5~6歳前後であり、多くの症例で10歳までに改善しますが、成人まで病巣が残ることもあります。

高熱や呼吸苦があるときには病院の受診を検討しましょう。扁桃炎の原因菌のひとつである溶連菌は、その感染から急性糸球体腎炎掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)心臓弁膜症を起こすリウマチ熱を引き起こす可能性があり、全身状態の変化があるときにも受診することが望ましいでしょう。

また、扁桃炎によって高熱が出ることがあり、そのために学校や会社を休むことが年間4~5回以上あるときや扁桃炎病巣が繰り返す感染の原因になっているときには、手術が検討されます。このようなときにも受診し、状態を確認するようにしましょう。

いずれの状態においても耳鼻咽喉科での対応が可能と考えられます。

扁桃炎の症状は、軽度から重度なものまでさまざまです。

気になる症状がある場合は、無理をせずに医療機関の受診を検討するようにしましょう。

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