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「急性咽頭炎」の原因を医師が解説-人にうつるの?仕事や学校は休むべき?

「急性咽頭炎」の原因を医師が解説-人にうつるの?仕事や学校は休むべき?
村上 信五 先生

名古屋市立大学医学部付属 東部医療センター 特任教授・高次ウイルス感染症センター長

村上 信五 先生

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この記事の最終更新は2019年10月24日です。

急性咽頭炎はのどに起こる急性炎症疾患を指します。

その症状は、のどの痛みや発熱などの症状を伴うほか、のどが痛むために飲み込みが難しくなる、のど(咽頭)に赤みや腫れが生じる、咽頭に白苔(はくたい)(白い苔状のもの)や(うみ)の栓が付くなどもみられます。

日常で誰にでもかかり得る病気ですが、その原因には何が考えられるのでしょうか。また、人にうつることはあるのでしょうか。

この記事では、急性咽頭炎の原因や感染経路、予防対策などの疑問について医師がお答えします。

急性咽頭炎の原因には、ウイルスと細菌があります。

ウイルス性の場合は、小児で40~70%、成人では20~30%で、アデノウイルスによるものが多いとされています。

細菌性の場合は比較的割合が低く、その中ではA群β溶連菌が多いとされています。

A群β溶連菌による急性咽頭炎は、一般的な風邪(感冒)とは異なり、①鼻炎症状がない、②咳がないなどの特徴があるとされています。

急性咽頭炎の原因となるウイルスや細菌は、咽頭炎以外にもさまざまな症状を引き起こします。インフルエンザウイルスによるインフルエンザや、それに関連した肺炎など、溶連菌では溶連菌感染症を起こすこともあります。

急性咽頭炎の原因はウイルスもしくは細菌であることから、人にうつる可能性があります。このようなウイルスや細菌の感染経路としては、咳などによる飛沫感染、手などによる接触感染があります。

このため、急性咽頭炎を患っている方だけでなく、周囲の方も感染予防のために手洗いやうがいを行うことが大切になります。

急性咽頭炎は比較的頻度の高い病気ですが、日本では急性咽頭炎に関する明確な治療ガイドラインは示されておらず、「何日間仕事(もしくは学校)を休まなければならない」などの決まりはありません。

しかし、急性咽頭炎がどれほど重症であるかを示す指標はいくつか示されており、その中では、咽頭に腫脹(しゅちょう)(炎症などが原因で身体の組織や器官の一部が腫れあがること)があり、37.5度以上の発熱、咽頭の赤みが中等度以上のものなどでは、中等症以上の急性咽頭炎になります。このような状態では学校や仕事を休む目安になるでしょう。

また、中等症以上の急性咽頭炎では、呼吸器症状を伴うインフルエンザ溶連菌感染症を起こす可能性もあります。そのような場合は、出勤(出席)停止となる可能性があるため、病院の受診がすすめられます。

ウイルスもしくは細菌によって感染するため、予防では手洗い、うがいが大切になります。

特に外出や人が多い場所では、感染に注意が必要です。帰宅した際には手洗いとうがいをしっかりと行いましょう。

また、ウイルスや細菌が口、鼻から入ることを防ぐためにはマスクをすることも有効だと考えられています。マスクはこのような感染の経路を遮断する効果に加え、自分の手が鼻周辺を触れることを防ぐこともできるので感染予防につながります。

また、ウイルスのなかでもインフルエンザウイルスは毎年冬に流行する傾向があります。このため、特に冬期間の感染予防が大切になります。

体の免疫力を高めておくことも予防には大切であり、偏りのない食事と十分な睡眠をとることも重要です。

急性咽頭炎ウイルスもしくは細菌によって起こるとされています。

日ごろから手洗いやうがい、十分な栄養補給と休養をとり、予防を心がけましょう。

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