摂食障害は若い女性を中心に発症する病気であり、有名なモデルやタレントが発症することも多いことから近年急速に注目を集めている病気の1つです。小学生のうちからダイエットをする子どもがいるなど、痩身願望は年々若年化していると考えられ、患者数は今後も増えていく可能性を秘めています。摂食障害は先進国に特有の病気ともいわれますが、そもそもなぜ摂食障害は起こるのか、はっきりとした原因は分かっていません。ただし、原因になりうるものに対してさまざまな観点から研究がなされていいます。いしかわストレスケアクリニック(元・国立国際医療研究センター国府台病院 心療内科特任診療部長)の石川 俊男先生にお話しいただきました。
※2021年2月現在、国立国際医療研究センター 国府台病院を定年退職したのち、いしかわストレスケアクリニックにて診療をしております。入院施設ではありませんので、低体重(35kg以下)の患者さんの診療はお断りしています。
摂食障害の原因は、主に臨床的な知見と生物学的な知見の2観点から追究されています。
臨床的には、“直接的な原因”と“個人とって引き金となった何らかの背景”があるといわれています。こちらは比較的理解しやすいといえるでしょう。
直接的な原因としては、ダイエットや体重が軽いことにメリットがあるアスリート(フィギュアスケートやマラソンなど)に対しての指導の問題、一般的な日本の価値観としての痩せの文化(痩せていることが美しいとされる)などが挙げられます。そのほかの何らかの背景として、「受験で失敗した」「進学したら成績が落ちた」など、生活の中で自信を失ってしまうような場面に遭遇したとき、摂食障害を発症するきっかけになるということが多いようです。
摂食障害がなぜ起こるか、生物学的な原因についてはさまざまな研究がなされているものの、詳しいことはか分かっていません。
“セロトニンが脳内に不足している”などともいわれますが、決定的なものはまだ見つかっていないのが現状です。遺伝子研究も進められており、候補遺伝子(ここでは摂食障害を引き起こす可能性がある遺伝子のこと)は複数ありますが、その遺伝子を持っている方が摂食障害になるとはまだ確定しておらず、一概に述べることはできません。そのため、現在ではまだ生物学的な要因ははっきりしないのが現状です。
現代の日本において、若い(特に10~40歳代)女性はほとんどの方がやせ願望を持っているといえます。
摂食障害の診断基準は、肥満恐怖によって決まります。太りたくないという意志があるというよりも、どちらかというと“恐怖”、つまり体重が増えることが恐ろしいという感覚が著しいのが特徴です。
ここで、前述のようにほとんどの女性がやせ願望を持っていて、そのうち大半の方がダイエットに挑戦するのに、なぜ一部の方だけが極端に食べないという病気になってしまうのか、という疑問が起こります。しかし、実はこの理由も現時点では詳しく分かっていません。
上記以外の摂食障害発症の要因について考えてみましょう。
たとえば、『摂食障害の背景には家族関係や体重への不安がある――摂食障害の患者さんが抱えるもの』で詳しく解説しますが、両親と築いてきた関係の中でかなりの緊張状態があったために怖い思いをした経験が多々あったのかもしれません。そのため、自分が何か社会的に逸脱すると怖いという気持ちがあり、それが肥満恐怖につながっているとも考えられます。
また、性的被害もきっかけになることが多いといわれます。しかし、患者さんの性的虐待の問題については、医療行為とはまた別のセンシティブな問題が入ってくることもあり、医師などの治療者が質問しにくいということが現状です。摂食障害の治療者はその問題を無意識に素通りしていくケースがあり、患者さんは性的被害に関して触れられたときに初めてその話を打ち明けるきっかけが生まれます。ですから、性的被害による摂食障害の場合、最初から理由が聞けるものではありませんし、患者さん自身も答えられないケースが多く見られます。
摂食障害の患者さんは、「理解してもらえない」という経験を多くしている方がほとんどです。そのため自己否定的で、コミュニケーション能力が低いといわれます。この結果、摂食障害の患者さんには基本的に集団が嫌いな傾向があります。
このように、摂食障害を発症する要因は多岐にわたり一概に述べることはできませんが、基本的には人間関係の不安定感が裏に潜んでいると考えられます。
いしかわストレスケアクリニック
いしかわストレスケアクリニック
日本心療内科学会 心療内科専門医日本内科学会 認定内科医・内科指導医日本消化器病学会 消化器病専門医日本医師会 認定産業医
東北大学医学部を卒業後、国立精神・神経センター精神保健所心身医学研究部部長、国立国際医療研究センター国府台病院心療内科特任診療部長を経て、2018年にいしかわストレスケアクリニックを開設。日本摂食障害学会の理事長も務め、長く臨床の現場に携わり、これまでに摂食障害(神経性食欲不振症、神経性大食症)患者を2000人以上診療してきた。「熱くならずに、諦めるな」という治療方針のもと、一人ひとりの患者さんに寄り添った治療を続けている。
石川 俊男 先生の所属医療機関
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摂食障害は完治しますか。
過食症になって4年ほど経ちました 2年間くらいは過食嘔吐もしてました。 1ヶ月くらいは順調に生活できていたのですが、爆発してしまいました。7月からまた過食の症状が現れてきました。 いつも調子の良い時と悪い時の差が激しいです。 誰に話していいかわからないし、 友達に話しても食べちゃダメだよって言われて 軽く考えられてしまいます。 お医者さんに通うとお金がかかるので 通いたくありません。どうしたらいいですか。 摂食障害を完治するにはどうしたらいいですか。 最近は便秘薬を大量に飲んでしまいます。 1日で4000-5000えん使うのが当たり前になっています。 過食してる時の記憶はなくて、我に戻ったときに あ、またやちゃったなあって思ってしまいます。
食べ吐きがひどく いっそ 現実逃避したい。
度々のご相談 お許しくださると幸甚です。 今まで ダンサーだったので、体重コントロールしてましたが 体力が資本と言うことで きちんと食べていましたが、食べ吐きを繰り返しています。 また あまり、人のせいにはしたくないのですが、主人が 義理の両親の介護を全てわたしに任せて 趣味のバンド活動に勤しんでいて、何かと言うと お前に任す! と 介護放棄しています。いっそ ハワイにでも逃げて 現実逃避したいと思い詰めています。なんの 解決にはならないと思いますが。 あまり、精神的なことは、考えたくないのですし、器質的なものであるかもしれないのですが それを含めて お忙しいかと存じますが 御考査お願い申し上げます。 追伸 手首切ったり 問題行動はしていません。
拒食症について
高2女子です。 統合失調症、適応障害、不安障害で精神科に通院しています。 ご飯が食べれなくなりました。 食べるのが怖いです。 身長157、体重43です。 私は拒食症ですか?
過食嘔吐してます
過食嘔吐してます。生理は2年くらいきてません。血液検査でコレステロールが高いのと肝機能低下しているとわかりました。159センチ、33キロです。体重を増やしたいのですが、高コレステロールだから何を食べたらいいかわからず、余計に食べるのが怖いです。
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