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インタビュー

神経性過食症(BN)の症状・検査・診断は? むちゃ食いエピソードと精神的焦燥感が決め手

神経性過食症(BN)の症状・検査・診断は? むちゃ食いエピソードと精神的焦燥感が決め手
津久井 要 先生

港北もえぎ心療内科・もえぎ心身医学研究所 院長

津久井 要 先生

「食事」は、誰もが毎日当たり前に行う行為です。
人間の三大欲求にも含まれている「食事」は、私たちが生きていくうえで欠かすことのできない本能的行動です。しかしその食事、すなわち「食べること」がうまくできなくなってしまうのが、摂食障害(神経性食欲不振症(AN)・神経性過食症(BN)という病気です。神経性過食症はどのような症状が現れ、どのように診断するのでしょうか。横浜労災病院心療内科部長であった津久井要先生(現港北もえぎ心療内科・もえぎ心身医学研究所 院長)にお話をお聞きしました。

神経性過食症の主な症状は、むちゃ食いの反復と、それを解消するための絶食・食事制限・自己誘発性嘔吐・器具を用いた嘔吐・下剤の乱用などといった排出行為です。
それに伴い、神経性食欲不振症よりも強度な抑うつ症状や「どうしてこんなことをしてしまったのだろう」という自己嫌悪を生じます。また、うまく排出行為ができずに加速的に体重が増えていく場合は「私は醜くなっていくのか」という不安感が、神経性食欲不振症よりも大きいです。しかし、排出行為がうまくいっており、神経性過食症でも体重をコントロールできている患者さんは、気分の落ち込みはそこまで大きくありません。

むちゃ食いは、私たちの想像する範囲である「食べ過ぎ」をはるかに超える量の食材をある限定された時間内(多くは30分~2時間)に胃の中に「詰め込み」ます。食べているというよりは、強迫観念に近いものがあるようです。意志の力が効かず、自分で食べることをやめることができません。「誰かに操られているようだ」と言う患者さんもいます。
つまり、短時間のうちに大量の食事を摂取し、しかも食事摂取に対するコントロールが失われていること、このふたつが最大の特徴です。

とくに、神経性過食症は食事制限によるやせを達成できなかったことに対する自己否定感、あるいは反復されるむちゃ食い後の体重増加への不安感、むちゃ食いに対する罪悪感などが排出型の神経性食欲不振症よりも大きく、病識がはっきりしている点に神経性食欲不振症との差があります。
また、過食嘔吐を長年にわたってし続けると、低カリウム血症や慢性腎不全、肝不全、急性腎不全など生命の危険を脅かすような合併症をきたしてしまう場合もあるため、周囲は「たかが食べ過ぎくらいで」と軽率に扱うことなく、患者さんの状態を注意深く見ておくことが大切です。

こちらも神経性食欲不振症と同じく特別な検査はありませんが、神経性過食症の場合は軽い双極性障害やアルコール依存など、他の精神疾患を合併している確率が神経性食欲不振症よりも高いことが知られています。そのため、これらの疾患を伴っていないか精神面の評価を行います。また、糖尿病などの生活習慣病になる危険性もあるため、定期的な血液検査が必要となります。

「ある一定の時間だけ自分の食行動が制御できず、体重増加を回避するための自己嘔吐などの代償行為がみられ、それを振り返って落ち込む」というエピソードが一定期間続くならば、神経性過食症と診断してよいでしょう。また、神経性食欲不振症から神経性過食症に移行した患者さんであれば、前述した「回復期の過食」と見極めることが重要なポイントとなります。

むちゃ食いのエピソードの繰り返し。
むちゃ食いのエピソードは以下の6つによって特徴付けられる。

  1. 他とはっきり区別される時間帯に(例:1日の何時でも2時間以内)、ほとんどの人が同じような時間帯に同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物を食べること。
  2. そのエピソードの期間では、食べることを制御できないという感覚(例:食べるのをやめることができない、または、何を、またはどれほど多く、食べているかを制御できないという感じ)
  3. 体重の増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す。例えば、自己誘発性嘔吐;下痢、利尿剤、浣腸、またはその他の薬剤の誤った使用;絶食;または過剰な運動。
  4. むちゃ食いおよび不適切な代償行動はともに、平均して、少なくとも3ヶ月にわたって週2回起こっている。
  5. 自己評価は、体形および体重の影響を過剰に受けている。
  6. 障害は、神経性無食欲症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。
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    津久井 要 先生

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