はいけつしょうせいしょっく

敗血症性ショック

最終更新日:
2024年12月03日
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2024/12/03
更新しました
2019/03/08
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概要

敗血症性ショックとは、敗血症が重症化することで陥るショック状態を指します。

敗血症は、主に肺炎球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌など細菌に感染し、心臓や肺などの臓器が障害されて正常に働かなくなっている状態です。敗血症が進行すると血圧が急激に低下し、組織の血の巡りが悪くなるショック状態となります。ショック状態に陥ると全身の重要な臓器へ十分な酸素や栄養分が届かず、多臓器不全などを引き起こすことがあります。

敗血症性ショックは命に関わる危険な状態であるため、集中治療室など高度な医療の提供ができる病室で積極的な治療が行われます。

原因

敗血症性ショックは、敗血症の中でも急激な血圧低下などにより組織の血の巡りが悪くなるショック状態です。

敗血症は、細菌やウイルス、真菌、寄生虫などの病原体が、肺・腹腔内(ふくくうない)・尿路・髄膜(ずいまく)・軟部組織(骨や臓器、皮膚などを除いたもの)・心内膜などに感染し、感染が全身に及ぶことで陥ります。

高齢者や新生児、妊婦、免疫抑制薬を内服中の方、がんなどの悪性腫瘍(あくせいしゅよう)糖尿病などの慢性疾患がある方など、免疫機能が低下している場合に感染症が重症化しやすく、敗血症を生じ敗血症性ショックを引き起こすリスクが高くなります。

症状

敗血症では、心臓や肺などの機能が低下し呼吸困難感や呼吸数の増加、頻脈、血圧低下、意識障害などの全身症状がみられます。さらに進行すると敗血症性ショックへと移行し、心臓から全身へ送られる血液量が減少し、多臓器不全播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)DIC)、心不全などが起こることがあります。

検査・診断

敗血症の治療のために十分な輸液を行っても、低血圧が続くことで血管収縮薬を必要とし、かつ血清乳酸値*18mg/dLを超える場合に敗血症性ショックと診断されます。

敗血症性ショックと診断された場合、感染している臓器の診断や集中治療のために必要な検査を行います。血液検査、画像検査(超音波検査・X線検査・CT検査・MRI検査)、心電図検査などが行われます。

血液検査では、採取した血液を用いて感染の原因となる病原体を特定したり(血液培養)、乳酸値や血小板の値を調べたりします。画像検査はどの部位に感染しているかを調べる目的で行われ、心電図検査は心拍の動きなどから心臓に異常がないかを調べる目的で行われます。

*血清乳酸値:乳酸は運動時に糖を分解する過程でできる生成物。乳酸の正常値は4~14mg/dLであるが、ショック時に上昇がみられる。

治療

敗血症性ショックの治療では、迅速な抗菌薬の投与のほか、輸液療法、血管収縮薬による循環管理など、さまざまな全身管理が重要です。点滴で十分な輸液を行いながら血管収縮薬で血圧を維持したり、心機能の低下が認められる場合には強心薬を投与したりします。

意識の混濁がみられたり、呼吸や循環状態に異常がみられたりする場合は人工呼吸管理となることも多いです。また、腎臓の機能が悪化している場合には血液中の不要な物質を体外で除去する血液透析をはじめとした血液浄化療法などが必要となることもあります。

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