けむしひふえん

毛虫皮膚炎

最終更新日:
2024年10月08日
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2024/10/08
更新しました
2018/07/20
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概要

毛虫皮膚炎とは、蛾や蝶の幼虫(毛虫)が持つ有毒毛に触れることで生じる皮膚炎を指します。

毛虫皮膚炎の原因となる毛虫は約50種類ほど存在するといわれています。原因となる幼虫に直接触れるほか、風で飛んできた有毒毛に触れたり有毒毛が着いた木の枝などに触れたりすることでも、毛虫皮膚炎を発症することがあります。そのため、特に首や腕など衣服で覆われていない部分の皮膚に赤みや痛み、湿疹などを生じることが特徴です。

毛虫に刺された場合には、患部を掻いたり擦ったりせず、粘着テープで有毒毛を取り除いたり流水で患部を洗い流したりしましょう。ステロイド外用薬を塗布することで症状の改善が期待できます。しかし、このような対応を行っても症状が改善しない場合は、医療機関で治療を受ける必要があります。

原因

毛虫皮膚炎は、有毒毛を持つ蛾や蝶の幼虫に刺されたり、有毒毛に触れたりすることで発症します。生きている虫だけでなく、死骸や抜け殻に付着する有毒毛に触れることでも発症することがあります。

国内には5,000種類以上の蛾や蝶が生息していますが、このうち毛虫皮膚炎の原因となる虫は50種類ほどといわれています。有毒毛には“毒棘”と“毒針毛”の2種類があり、毒棘を有する毛虫にはヒロヘリアオイラガやイラガなどのイラガ類、毒針毛を有する毛虫にはマツカレハやタケカレハなどのカレハガ類、チャドクガやドクガなどのドクガ類が挙げられます。このうち毛虫皮膚炎を引き起こす代表的な毛虫であるチャドクガは、サザンカやツバキなどの植物の葉の裏に生息しています。そのため、草木の手入れ時にチャドクガの有毒毛に触れたり、屋外に干した洗濯物に付着するチャドクガの有毒毛に触れたりすることでも毛虫皮膚炎を発症することがあります。

症状

有毒毛に触れた部位を中心に、赤みや痛み、蕁麻疹(じんましん)のような湿疹が現れます。このような症状は首や腕など衣服に覆われていない部分に現れることが特徴です。

毒針毛が原因の場合は、毒針毛に触れてから数時間後に患部に赤みやかゆみ、腫れなどが現れます。さらに、患部を擦ったり掻いたりすると、症状がほかの範囲にまで広がることもあります。また、毒針毛を持つドクガ類に刺された場合は、アレルギー反応によって症状や経過が異なります。刺された直後から皮膚に赤く盛り上がる膨隆疹が現れる場合もあれば、刺されてから数日後にブツブツとした丘疹が生じる場合もあります。一方、イラガ類の毒棘に触れた場合は、触れた瞬間から患部に強い痛みが生じます。

このほか毛虫の毒によって、ごくまれに重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を発症し、頭痛や吐き気、めまい、呼吸困難などが現れることもあります。

検査・診断

毛虫皮膚炎は、一般的に特別な検査は行われません。現れた症状や虫に刺されたときの状況を確認することで診断できるため、問診や視診が行われます。

治療

毛虫に刺されたことを自覚している場合は、粘着テープを使って有毒毛を取り除いたり刺された部位を流水で洗い流したりするなど適切に対処することが重要です。赤みやかゆみなどがある場合は、市販のステロイド外用薬を塗布することで症状の改善が期待できるケースがあります。

しかし、ステロイド外用薬を5~6日間使用しても症状が改善しない場合や、痛みなどの症状が強い場合、アナフィラキシーショックが現れた場合は医療機関で治療を受ける必要があります。医療機関では、症状に応じてステロイド薬や抗ヒスタミン薬の内服薬を用いた治療が行われます。

予防

毛虫皮膚炎を予防するためには、原因となる毛虫に近付かないことが重要です。サザンカやツバキなどの植物に毛虫が付着している場合には、むやみに近付かないようにしましょう。また、屋外でガーデニングやレジャーを行う場合には、長袖、長ズボン、スカーフ、軍手などを着用し、肌の露出を避けることが重要です。自宅の庭に毛虫が付着しやすい草木がある場合には、薬剤を散布したり剪定したりすることも効果があります。

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