ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん

溶血性尿毒症症候群

同義語
HUS
俗称/その他
溶血性尿毒症性症候群
最終更新日:
2022年11月29日
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2022/11/29
更新しました
2017/04/25
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治療

溶血性尿毒症症候群を発症した場合は、早急に適切な治療を行う必要があります。重症の場合は集中治療室での治療が必要になります。

溶血性尿毒症症候群に特化した治療はないため、それぞれの症状に対して適切な支持療法*を行いつつ、自然回復を待つ必要があります。

*支持療法:病気やそれに対する治療によっておこる、さまざまな症状・副作用・合併症・後遺症を軽くするために行われる治療

輸液・輸血療法

腸管出血性大腸菌感染症による下痢や血便により脱水が生じることが多いため、一般的に輸液療法が必要になることが多いです。脱水は腎機能障害を悪化させますが、積極的な輸液療法により腎臓を保護することができます。

重症の貧血には、必要に応じて濃厚赤血球の輸血を行います。ひどい出血や外科的治療が必要なときに限定して血小板の輸血も行います。ただし、過剰な血小板輸血は血栓の形成を促進させるため、状態を悪化させる危険性があります。

下痢止めは、毒素の排出が妨げられるため使いません。また、溶血性尿毒症症候群の発症後における抗菌薬治療の有効性は証明されていません。

降圧療法

溶血性尿毒症症候群では急性期に高血圧を合併することが多く、降圧薬や利尿薬などによって血圧を下げる必要がある場合もあります。

透析療法

急激な腎機能の低下により乏尿や無尿になった結果、体内に余分な水分や老廃物がたまり、心不全肺水腫などを引き起こすことがあります。そのため、必要に応じて透析療法が必要になります。

脳症に対する治療

意識障害やけいれんなどをきたした際は、脳浮腫(のうふしゅ)の治療や抗けいれん薬を使用した治療を行います。重症の脳症にはステロイドを大量に点滴する治療(ステロイドパルス療法)が行われることもあります。

また、ほとんどの患者はこのような支持療法により回復し、完治する経過をとります。しかし、一部の患者では脳症による後遺症(発達や運動の障害、てんかん)や腎不全による後遺症(タンパク尿、高血圧、腎機能障害)が残ってしまうことがあり、その後のフォローアップが必要になります。

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