治療
炎症性腸疾患には基本的に薬物療法が行われます。使用する薬剤は病気の種類や重症度などによって異なり、過剰な免疫のはたらきを抑制するステロイドや免疫抑制剤、消化管の炎症を抑える5-アミノサリチル酸製剤などが挙げられます。近年では、炎症に関わる分子を直接標的とした生物学的製剤や炎症のシグナル(伝達)を抑える低分子化合物なども使用されるようになってきました。
また、薬物療法で十分な効果がない場合は、血液中からはたらきの強い白血球を除去して免疫のはたらきを抑制する“血球成分除去療法”が行われます。さらに消化管の狭窄を起こしたり、炎症が粘膜の深層にまで達して消化管に穴が開いたりした場合は手術によってそれらの病変を切除する治療が行われます。また、外科手術回避を目的とした、クローン病の消化管狭窄病変に対する内視鏡的拡張術が行われています。
一方、炎症性腸疾患は、症状が強い期間は消化管の安静を図る必要があるため、食事を取ることができないケースがあります。このような場合には、点滴や経腸栄養(鼻などから腸まで管を通し、そこから流動食などを投入する治療)による栄養管理が必要です。
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炎症性腸疾患について
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