とうしつたいしゃいじょうしょう

糖質代謝異常症

最終更新日:
2018年07月06日
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2018/07/06
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概要

食べ物にはさまざまな糖質(グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ラクトース(乳糖)、スターチ(デンプン)など)が存在し、体内で分解されブドウ糖となり、エネルギーを産生することに使用され、ヒトが生きて行くうえで必要不可欠な物質です。

それ以外に体内では糖質を貯蔵することもでき、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯められ、必要なときにブドウ糖に分解されエネルギーとして使用されます。

糖質代謝異常症とは、その糖質の代謝に異常をきたす病気の総称です。具体的には、糖原病やフルクトース不耐症(果糖不耐症)、ガラクトキナーゼ欠損症(ガラクトース血症)、乳糖不耐症など数多くの病気が含まれます。

糖質代謝異常は、原因となっている病気によって症状や検査方法、治療方法なども異なります。そのため、正確な診断のもと、適切な治療を受けることが重要となります。

原因

糖質の代謝に関わる酵素に異常が生じることを原因として引き起こされます。糖質には、上で述べたようにグルコースやフルクトース、ラクトース、ガラクトース、グリコーゲン、でんぷんなどが含まれ、これらの総称として糖質という言葉が使われます。

糖質代謝異常症も実質的にはひとつの病気を指すわけではなく、さまざまな病気を含んでいます。そのため、具体的にどの病気を指しているのかによって、異常を示す酵素は異なります。

たとえば、グリコーゲンの代謝に異常が生じる病気に糖原病と呼ばれる病気があります。グリコーゲンは肝臓や筋肉を中心として蓄えられる糖質のひとつですが、グリコーゲンそのものではエネルギーとして効果的に利用することはできません。

グリコーゲンが分解され、グルコースに変換される必要があります。そのためにグリコーゲンが分解されうまく利用できるような形にするためにさまざまな酵素がはたらく必要がありますが、この経路に異常が生じることで糖原病は引き起こされます。

症状

糖質代謝異常症は、さまざまな病気を含む包括的なものであるため、症状の出方もさまざまです。無症状のまま経過することもあれば、糖質が不足するために神経系に異常が生じ、けいれんや発達の遅れなどの症状が現れることもあります。

また、病気のタイプによっては肝臓や心臓、筋肉の機能障害をきたすこともあります。こうしたことと関連して、肝臓の腫れや上腹部の違和感、運動時の息切れや筋肉痛の生じやすさなどの症状が現れることもあります。さらに、不純物が蓄積することで白内障の症状がみられるケースもあります。

検査・診断

診断のためには、身体診察や現れている症状をもとにして、どのような病気が疑われるかを想定します。糖質代謝異常症の存在が疑われる場合には、血液や尿などを用いて血糖値や乳酸、各種糖質の測定などを行います。

さらに病気の種類によっては、原因となっている酵素活性測定を測定したり、異常を示す組織からの検体を一部採取して、それを用いた病理検査を行ったりすることもあります。

治療

糖質代謝異常症の治療は、原因となっている病気によってさまざまです。代謝することができない糖質が病気によって異なるため、障害を起こしうる糖質を避けることもあります。たとえば、糖原病では低血糖を予防するために、コーンスターチを補充することがあります。

また、糖質代謝異常症は感染症などをきっかけに症状が悪化することもあります。そのため、風邪などに注意することが大切です。症状が悪化した場合には点滴治療を要することもあります。

そのほか、合併症に対しての治療介入が必要とされることもあります。白内障であれば眼科的な治療、高血圧であれば降圧剤の使用などを適宜行います。

糖質代謝異常症は、多岐に渡る疾患が含まれるため、一概に治療方法を決定することができません。そのため、正確な診断を受けることが重要となります。

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