原因
腸重積症は、主に腸の壁のリンパ組織(腸管膜リンパ節)が腫れて大きくなり、これが腸の蠕動運動によって腸管内に引き込まれて入っていく(先進部になる)と考えられています。リンパ組織が腫れる原因の1つにかぜなどのウイルス感染が指摘され、腸重積症の患者の約1/4にかぜの症状を認めます。
また、腸のポリープやメッケル憩室(小腸の中間あたりに生じる袋状の突起物)、腸管重複症(本来の腸以外に異常な腸が余分に存在する)、悪性リンパ腫(白血球中のリンパ球ががん化したもの)などの病気が先進部の原因となって腸重積症を起こすこともあります。これらは特に再発例や2歳以降の発症例で多いといわれています。
そのほか、ロタウイルスワクチン接種の副反応として腸重積症の発症リスクがわずかに上がることも報告され、特に初回接種の約1~2週間後に発症する可能性が高まるといわれています。しかし、現状では腸重積症のリスクを踏まえてもワクチン接種は有用と考えられています。
参考文献
- 日本小児救急医学会ガイドライン作成委員会(編).一般社団法人 日本小児救急医学会(監).エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン.へるす出版,2012,p74
医師の方へ
「腸重積症」を登録すると、新着の情報をお知らせします