ふくへきへるにあ

腹壁ヘルニア

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

腹壁ヘルニアとは、腹部の前壁が生まれつきあるいは後天的(手術、外傷、加齢など)な原因により弱くなり腹部の臓器が突出する状態を指します。

多くのヘルニアは無症状 ですが、一部のヘルニアでは嵌頓(かんとん)(はまり込んだ状態)となり、腸が壊死(絞扼)することがあります。この場合、命にかかわるおそれもあるため注意が必要です。

原因

腹部のヘルニアには大きく分けて、腹壁ヘルニアと鼠径(そけい)ヘルニアの2つに分類されます。

腹壁ヘルニア

腹壁ヘルニアには、以下が含まれます。

  • (へそ)ヘルニア
  • 上腹部ヘルニア
  • 半月状線ヘルニア
  • 腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニア

腹壁瘢痕ヘルニアは以前に受けた腹部の手術創(手術の傷あと)に発生します。臍ヘルニアはほとんどが先天的ですが、肥満・腹水貯留・妊娠・長期腹膜透析に続発することがあります。また、過度の排便時のいきみ・激しい咳・排尿障害・出産・重いものの運搬などにより強い腹圧がかかると簡単に突出します。

鼠径ヘルニアは、腹部ヘルニアのなかでもっとも一般的で 、鼠径部(そけいぶ)(足の付け根のあたり)に腸が脱出します。また鼠径部よりやや足側にできるヘルニアを大腿ヘルニアと呼びますが、突出する部位もほぼ同じで、手術も同じ部位を切開することになるため広義の意味で鼠径ヘルニアと同様に扱われます。

症状

大部分の症例では腹部に突出した隆起を認めるだけで、無症状あるいは軽い違和感が生じるのみです。多くの場合は元に戻すことが可能ですが、ヘルニアが嵌頓してしまうと還納(ヘルニア内容を元に戻すこと)は不可能で腸閉塞の原因となります。腸閉塞を発症すると突然の激しい腹痛、嘔吐が出現し、腸が壊死すると絞扼性腸閉塞(こうやくせいちょうへいそく)となり緊急の処置が必要となります。

検査・診断

まず、臨床的な所見が重要となります。ヘルニアは腹圧がかかったときにのみ認められることがあるため 、立位で診察し腹壁触診時に咳嗽(がいそう)(咳のこと)などを促しすべての切開創の診察をします。

また嵌頓ヘルニアの場合は腹部CT検査(エックス線を使って身体の断面を撮影する検査)を行いヘルニアの部位・広がり・腹膜炎の有無を調べます。

治療

突出のみを認める場合においても、嵌頓ヘルニアとそれに続発する絞扼性イレウスの危険性を考慮し適したタイミングで手術を行います。また、還納可能であった場合でも、ヘルニアを起こした原因は解除されていないため、手術によりヘルニア構造を修復します。

嵌頓ヘルニア、絞扼性イレウスを起こしている場合は命に関わる状態であるため、緊急手術が行われます。

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