検査・診断
膀胱がんが疑われると、まず尿細胞診検査、腹部超音波検査、膀胱鏡検査などを行います。尿細胞診検査にてがんの疑いがある場合、膀胱鏡検査などで膀胱内に腫瘍を認める場合には、内視鏡下に腫瘍を切除してがんかどうかを確認します。がんであった場合には、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィなどの画像検査を行い、がんの広がりや転移の有無を調べます。
尿細胞診検査
尿を採取して、尿中にがん細胞が含まれているかを顕微鏡で調べる検査です。5段階で評価し、1と2が陰性、3が疑陽性、4と5が陽性となります。ただし、がんがあっても陰性になる場合もあるため、この検査だけで判断することはできません。
腹部超音波検査
プローブという超音波を発する器具をお腹の表面に当て、超音波の反射波を利用して膀胱内の様子を観察します。体への負担がなく簡便に行うことができますが、検査精度は膀胱鏡検査よりも劣ります。
膀胱鏡検査
内視鏡を尿道の出口から膀胱内に入れて、カメラで膀胱内を観察する検査です。肉眼的に腫瘍の有無や発生部位、数、大きさ、形状などを確認することができます。
画像検査
膀胱がんの診断に用いる画像検査には、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィなどがあります。CT検査はリンパ節やほかの臓器への転移の診断に有用で、MRI検査は主にがんの深さを診断するために行います。骨シンチグラフィでは、骨に集まる放射性の薬を注射して骨に転移しているかを調べます。
膀胱生検および経尿道的膀胱腫瘍切除術
膀胱がんの診断を確定するために、膀胱の粘膜を採取あるいは切除し、顕微鏡を用いてがん細胞の有無を確認します。この検査は体に負担がかかるため、多くの場合、検査と治療を兼ねて行います。
医師の方へ
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【第59回日本癌治療学会レポート】泌尿器科ロボット支援手術の現状と未来――次世代教育の課題(2700字)
患者への根治性を担保した低侵襲手術の提供、術者への高い操作性の提供の双方からロボット支援手術の需要が高まっている。特に泌尿器科での悪性腫瘍手術は次々とロボット支援手術に置き換わっており、全てがロボット支援手術となる時代が間近に迫っている。国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科長の増田 均氏
【インタビュー】膀胱がん手術時の光線力学的診断――目視できないがん細胞判別も可能に(370字)
最近、膀胱がん手術時に光線力学的診断(PDD)を用いる方法の有用性が実証され、保険収載された。PDDとは、5-アミノレブリン酸(5-ALA) という光感受性物質を体内に投与した後に蛍光内視鏡を用いてがん病変を蛍光発光させる診断方法である。現在、膀胱がんに対しては内視鏡と切除ループを用いる経尿道的膀胱
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