治療
膀胱がんの治療法には手術、放射線療法、化学療法、膀胱内注入療法があり、がんのタイプや転移の有無、患者の希望などに応じて選択します。
手術
転移がない場合には基本的に手術を行います。手術方法には大きく分けて、内視鏡下でがんを切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)と、膀胱を全て摘出する膀胱全摘除術の2つがあります。最近では腹腔鏡下手術、ロボット支援手術が行われることもあります。
TURBTは主にがんが粘膜付近にとどまっている筋層非浸潤性がんに対する手術で、全身麻酔または腰椎麻酔を行い、内視鏡を使用してがんのある部分を高周波電気メスで切除します。
膀胱筋層まで広がる筋層浸潤性がんでは、内視鏡で完全にがんを切除することができないため、膀胱を全て摘出する必要があります。膀胱を摘出すると尿を溜めておくことができなくなるため、新たな排尿路を作る尿路変向(変更)術を同時に行います。
膀胱内注入療法
膀胱内に直接抗がん剤またはBCG(ウシ型弱毒結核菌)を注入する治療です。内視鏡治療後に、膀胱内でのがんの再発を防ぐ目的で行います。悪性度の高い筋層非浸潤性がん、あるいは上皮がんの場合にBCGを用いることが多く、抗がん剤は悪性度の低いがんに対して用いる場合があります。
放射線療法
膀胱がんに放射線を照射してがんを縮小・消滅させる治療です。高齢などで体力的に手術が難しい場合や、膀胱の摘出を望まない場合に適応となります。がんによる不快な症状を軽減させることを目的として行うこともあります。
化学療法・免疫療法
リンパ節やほかの臓器に転移している場合や、膀胱全摘術を行っても再発・転移の可能性が高いと判断した場合に、抗がん剤を点滴して全身に行きわたらせる全身抗がん剤治療を行います。そのほか、抗がん剤治療後に免疫療法などを行うこともあります。
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【第59回日本癌治療学会レポート】泌尿器科ロボット支援手術の現状と未来――次世代教育の課題(2700字)
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【インタビュー】膀胱がん手術時の光線力学的診断――目視できないがん細胞判別も可能に(370字)
最近、膀胱がん手術時に光線力学的診断(PDD)を用いる方法の有用性が実証され、保険収載された。PDDとは、5-アミノレブリン酸(5-ALA) という光感受性物質を体内に投与した後に蛍光内視鏡を用いてがん病変を蛍光発光させる診断方法である。現在、膀胱がんに対しては内視鏡と切除ループを用いる経尿道的膀胱
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