症状
葉酸は赤血球の成熟に必要な栄養素であるため、葉酸欠乏症を発症すると赤血球数が減少し貧血を引き起こします。また、葉酸が不足すると血液中には成熟していない巨赤芽球と呼ばれる細胞が増えるため、葉酸の不足によって引き起こされる貧血を“巨赤芽球性貧血”と呼びます。症状としては、息切れ、めまい、ふらつき、動悸、だるさなどの一般的な貧血症状が現れます。
また、葉酸は正常な細胞分裂を引き起こす栄養素でもあるため、不足すると舌が荒れ、舌のただれや味覚障害を引き起こすこともあります。さらに、葉酸が不足すると体内ではホモシステインと呼ばれる物質が蓄積し、気分の落ち込み、認知機能の低下、幻覚・妄想などの精神症状を引き起こすことも知られています。
葉酸は胎児期に脳や脊髄などの神経が正常に発達するためにも必要な栄養素です。そのため、妊娠初期に母体の葉酸が不足すると胎児の神経系の発達に異常が生じ、無脳症や二分脊椎などの“神経管閉鎖不全”と呼ばれる先天性疾患を引き起こすリスクが高くなります。
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。
なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。
「葉酸欠乏症」を登録すると、新着の情報をお知らせします