そくこんかんしょうこうぐん

足根管症候群

最終更新日:
2024年10月17日
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2024/10/17
更新しました
2019/01/15
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概要

足根管症候群は、足首の内くるぶしとかかとの骨、そしてこれらを結ぶ屈筋支帯という組織に囲まれたトンネル状の足根管内で、脛骨神経(けいこつしんけい)が障害されてしびれや痛みなどの症状を生じる病気です。

もっとも多い原因はガングリオン(内部にゼリー状の物質が詰まった腫瘤(しゅりゅう))による圧迫です。また、足首の骨折捻挫など、足根管内圧力が上昇するさまざまな病気やけがによって生じます。脛骨神経が障害されると、足の裏にしびれや痛みなどの症状がみられます。症状が軽ければ薬剤などによる保存治療が行われ、保存治療で改善がみられない場合や病態によっては手術が検討されます。

原因

足根管症候群は脛骨神経が障害を受けることで発症します。脛骨神経は足首の内くるぶしの下を通り足裏や足指に伸びており、足根管という狭いトンネルの中を通ります。足根管には動脈や静脈も走っているため、脛骨神経が障害を受けやすいとされています。脛骨神経が何らかの原因で障害を受けるとしびれや痛みなどの症状が出現し、足根管症候群を発症します。

脛骨神経が障害される主な原因としては、ガングリオンによる圧迫が多く、そのほか距踵間癒合症(きょしゅかんゆごうしょう)や足首の骨折捻挫、足の静脈瘤扁平足などが足根管症候群の原因となります。また、甲状腺機能低下症心不全腎不全などの病気に関連した足首のむくみも原因になることがあります。

距踵間癒合症:生まれながらに足の骨がくっついてつながり足根管内に骨が隆起した状態。

症状

足根管症候群の主な症状としては、チクチクとした痛みやピリピリとするような感覚、しびれなどが挙げられます。このような症状は、内くるぶし周辺から足の裏、つま先にかけてみられます。通常、足の甲や足首より上に症状がみられることはありません。痛みが出現するタイミングは、歩行時、運動時、入浴時、夜間就寝中などさまざまです。通常は歩行や運動をしていると痛みが強くなり、安静にしていると軽減します。症状が重くなると安静時にも痛みが生じることがあり、QOL(生活の質)の低下にもつながります。

検査・診断

足根管症候群では、足のどの部位にしびれや痛みなどが生じているかを詳細に評価することが重要です。

診察では、内くるぶしの下を叩き、しびれや痛みなどがあるかを確認します。画像検査では足根管内に神経を圧迫しているものがないか超音波検査で確認し、X線検査やCT検査で骨に変形がないか、MRI検査で足根管にガングリオンなどの腫瘤がないかを調べます。場合によっては神経伝導速度検査を行い、神経伝導速度を測定して神経が障害されているかを確認することもあります。

足根管症候群では、糖尿病関節リウマチ甲状腺機能低下症などの基礎疾患が原因となる場合もあります。症状や身体所見などから何かしらの基礎疾患が疑われる際には、血液検査や尿検査、画像検査を行います。

治療

足根管症候群では、痛みに対して主に神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)治療薬を使用します。また、非ステロイド系抗炎症薬などの内服薬または外用薬の使用や、脛骨神経周りにステロイド薬注射を行うことによっても鎮痛効果が期待できます。薬を使用した治療のほか、足の形に合う靴の使用、リハビリテーション、扁平足が原因となっている場合は足底装具(インソール)の使用などによって痛みやしびれの緩和を図ります。

このような保存治療でも症状の緩和がみられない場合や、ガングリオンなどがある場合には手術が行われることがあります。手術内容は病態によって異なりますが、神経を圧迫している原因を取り除いたり、骨の一部を削ったり足根管の膜を切開したりして治療します。

足根管症候群の原因となる基礎疾患がある場合には、その病気に対する治療も行います。たとえば甲状腺機能低下症の場合、甲状腺ホルモンの補充療法を検討します。

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