なんこつにくしゅ

軟骨肉腫

骨・関節

目次

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概要

軟骨肉腫(なんこつにくしゅ)とは、骨の悪性腫瘍のひとつです。軟骨から生じる腫瘍で、四肢、骨盤、肋骨などに多く起こります。

軟骨肉腫の発症は、成人に多いとされています。また、小児・思春期のときから発症していた軟骨腫(なんこつしゅ)骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)といった、良性の骨の腫瘍が悪性化することで発症する場合もあります。

軟骨肉腫は、骨肉腫に続いて2番目に多く発症する骨腫瘍です。腫瘍によって悪性度の高さが異なり、悪性度が高い場合には、ほかの臓器へ転移する可能性が高まります。

原因

軟骨肉腫の原因はよくわかっていません。悪性腫瘍にはいくつかの種類があります。たとえば体の表面や内臓を形成している上皮組織に悪性腫瘍ができたものは「がん」とよばれます。一方で、上皮組織以外の骨や、軟部組織(筋肉、脂肪など)に悪性腫瘍ができたものは「肉腫(にくしゅ)」とよばれます。

肉腫のなかにも悪性腫瘍が発生する部位などによっていくつかの種類があります。なかでも主として軟骨系の組織に悪性腫瘍が増殖すると、軟骨肉腫を発症します。

症状

軟骨肉腫では下記のような症状がみられます。

  • 腫瘍のある部位の腫れ
  • 腫瘍のある部位の関節の運動制限
  • 腫瘍のある部位の硬い腫瘤(しゅりゅう)(かたまり)
  • 体を支える骨の損傷
  • 骨折による痛み
  • 病的骨折(肉腫によってもろくなった骨の損傷)

など

もっとも多くみられる症状は、病変部位の腫れや関節の動きの制限と考えられます。

軟骨肉腫は一般的に悪性度が低く、腫瘍の増殖は速くないと考えられています。しかし、なかには腫瘍の成長が早く大きくなるものもあります。

検査・診断

軟骨肉腫の検査や診断については、下記のような項目が挙げられます。

  • 診察(問診、視診、触診など)
  • 画像検査(X線検査、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィー)
  • 病理検査(針生検、切開生検)

診察

まずは診察で症状を明らかにしていきます。具体的な症状や、痛みや腫れの現れた時期などを問診によって明らかにします。また視診や触診を行うことで、病変部位の腫れ、痛みの程度、腫瘍の硬さなどをみていきます。

また小児や思春期のときにみつかった良性腫瘍(骨軟骨腫や内軟骨腫)から軟骨肉腫へと悪性化することもあることがわかっています。診察の際には、小児期・思春期における骨腫瘍や骨変形の治療歴についても医師から問診を受けることが望ましいと考えられます。

画像検査

X線検査、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィーといった検査が行われます。画像検査を行うことで腫瘍の場所や大きさ、広がり、骨のどの部分に異常があらわれているか、などを明らかにすることができます。

病理検査

病変の細胞や組織を採取して検査します。これにより確定診断を行うことができます。また、病理検査によって、腫瘍の種類や性質(良性か悪性か)を判断することができ、的確な治療方針を決めることができます。

治療

軟骨肉腫では、主に下記のような治療が行われます。

  • 手術療法
  • 薬物治療(抗がん剤治療など)
  • 放射線治療

治療の主体となるのは手術療法です。軟骨肉腫では放射線による治療や、抗がん剤による治療では十分に症状を改善できない場合があることから、手術を検討することが多いといえます。

手術療法では、腫瘍を完全に切除することが目的となります。手術の方法には、再発しないように腫瘍とその周囲の正常な組織を含めて切除する「広範切除術(こうはんせつじょじゅつ)」や、できるだけ腕や脚を残して腫瘍を切除する「患肢温存術(かんしおんぞんしゅじゅつ)」があります。しかし、場合によっては腕や脚を切断する必要が生じることもあります。

近年では画像検査の能力向上や、手術技術の進歩によって、より患者さんの腕や脚の機能を温存したり、機能低下を抑えたりすることができる手術方法が可能となってきました。

また手術で切除した骨や関節の代わりに、体のほかの部分の骨や、人工の骨を使って補っていく手術(再建術)があります。再建術を行うことで、切除によって取り除かれた骨や関節の機能を補います。

再建術が可能かどうかは、腫瘍の大きさや広がり方などによって判断されます。どのような手術、治療を行うかについては、軟骨肉腫のステージ、患者さんの状態や希望などによって異なります。よりよい治療にできるよう、どのような治療方法が望ましいかを医師と相談のうえで決めていくこととなります。

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