かんにゅうそう

陥入爪

最終更新日:
2023年06月20日
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2023/06/20
更新しました
2017/04/25
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概要

陥入爪(かんにゅうそう)とは、爪の先端や両端が周辺の皮膚に食い込んだ状態を指します。患部に痛みや腫れが生じたり、傷ができんだりすることもあります。

巻き爪とよく似ていますが、巻き爪は爪が内側に曲がってくることによって、爪の下の皮膚を巻き込むような状態となることを指し、陥入爪とは異なる病気です。ただし、陥入爪と巻き爪が合併することもあります。

陥入爪は子どもから大人まで性別に関係なく発症します。特に足の親指に生じやすく、痛みによって歩行が困難になる方もいます。糖尿病などによって足の血管が細く硬くなりやすい方が陥入爪を放置していると、壊疽(えそ)*を生じる可能性もあるため注意が必要です。

*壊疽:組織の一部や細胞が死に至り、変色した状態。

原因

陥入爪の原因には、以下のようなことが挙げられます。

生まれ持つ爪の性質

爪の厚さや硬さ、形状などは人それぞれです。そのため、生まれ持った爪の性質によって陥入爪が生じやすい方もいます。

誤った爪のケア

爪を切りすぎたり、伸ばしすぎたりすると陥入爪が生じることがあります。特に深爪は陥入爪の原因になりやすいため、短く切りすぎないよう気を付けましょう。また、爪の端を切りすぎてしまうと陥入爪になりやすいともいわれています。

爪への圧迫

足の形やサイズに合わない靴を履いていると、爪が圧迫され陥入爪を生じることがあります。先端の細い靴やハイヒールなどは特に爪を圧迫しやすいといえます。また、サイズが大きい靴を履いていると靴の中で足が前に滑り、結果的に爪が圧迫される原因になることもあるため注意が必要です。

足への負担

体を動かす激しいスポーツは足に過度な負担をかけるため、爪にも圧力がかかり、陥入爪の原因になることがあります。また、肥満の方は足に負担がかかりやすく、爪に圧力がかかることがあります。

その他の原因

足を不衛生な状態に放っておくことや、けがをしたり、手術などによって爪を抜いたりすることも陥入爪の原因の1つです。また、足の変形や骨に異常がある方は、陥入爪を繰り返すこともあります。

爪白癬*という病気が陥入爪の原因となっている場合もあります。

*爪白癬:白癬菌と呼ばれる真菌(カビ)が皮膚から爪の中に入り増殖する病気。

症状

陥入爪は初期の段階では無症状で、気付かないこともあります。しかし、爪の食い込みが強くなると、徐々に痛みを自覚するようになり、特に患部を指で押したり圧迫されるような靴を履いたりすると強い痛みを感じることがあります。

患部は赤くなることが多く、ほてりを伴うこともあります。また、患部から病原菌が入り感染を引き起こすと、爪の周囲に炎症が生じる爪囲炎(そういえん)を引き起こします。症状が悪化すると、皮膚の下にがたまることもあります。膿が生じると痛みも強くなり、歩行にも支障をきたす可能性があるため足を清潔に保つことが大切です。

検査・診断

患部の診察によって診断されることが一般的です。爪の食い込みのほか、赤みや腫れ、痛みなどがみられる場合、爪囲炎の可能性も含めて診断が検討されます。

患部が細菌などによって感染を起こし、炎症がみられる場合には細菌の培養検査や血液検査が行われることもあります。また、20歳未満の若い方で陥入爪を繰り返している場合、骨軟骨腫などの病気も疑われるためX線検査などの画像検査が検討されることもあります。

爪の食い込みがみられないにもかかわらず、爪周辺に患部の赤みや腫れなどがみられる場合、別の病気の可能性も考えられます。

治療

症状が軽い場合、保存療法で軽快することが一般的です。保存療法を行っても効果が不十分な場合や再発を繰り返す場合、速やかに治療をしたい場合などには手術も検討されます。

また、爪囲炎の疑いがある場合には、抗生物質の内服薬や外用薬の処方が検討され、肉芽と呼ばれる結節ができた場合にはステロイドの外用薬を短期間使用することがあります。

保存療法

保存療法では、症状が悪化しないよう爪の切り方や衛生管理などの生活指導が行われるほか、以下のような処置が行われることもあります。中には保険適用でない治療もあるため、医師の説明をよく聞き治療法を検討しましょう。

爪の食い込みを抑える処置

皮膚に食い込んでいる爪を切除したり、爪の角にコットンを詰めて爪と皮膚が当たらないようにしたりすることで爪の食い込みを抑える効果があります。

爪矯正

爪矯正とは、陥入爪を生じている爪にフックやワイヤー、プレートなどの矯正器具を取り付けて、爪の変形を矯正する治療方法です。

フックを使用した方法では、爪の両端にフックを装着し、コイルばねに内蔵されている超弾性合金ワイヤーの弾力性を利用して爪の形を矯正します。爪に穴を開ける必要がなく、よく選択される治療方法の1つです。

超弾性ワイヤーを用いた方法では、爪の先端部分に左右2つの穴を開けてワイヤーを取り付け、皮膚に食い込むようにして伸びようとする爪の変形を阻止します。形状記憶合金プレートを用いた方法では、爪にプレートを貼り付け、プレートに沿う形で爪が生えてくるように矯正します。プレートは毎日ドライヤーで温めることにより平らな状態を保ちます。

手術

症状が悪化し歩行が困難な状態や、再発を繰り返す場合には、陥入爪を完治させるために手術が行われます。

爪の両端と、爪のもととなる爪母(そうぼ)を削り取ったり、薬剤で爪母の細胞を壊死(えし)させたりして、食い込みの原因となる部分に新たな爪が生えないようにするなどの方法があります。

手術によって爪の幅が狭くなってしまうほか、変形などが起こることもあるため、手術を検討する際は医師とよく相談しましょう。

予防

陥入爪の予防では爪を正しく切ることがもっとも大切です。爪は足の指先にそろえる程度に整え、両端を短くしすぎないよう“スクエア型”を意識するとよいとされています。また、足は1日1回を目安にせっけんで洗い、清潔に保つようにしましょう。

自身の足のサイズに合った靴を正しく履くことも予防につながります。靴を履くときはかかとをしっかりフィットさせることを意識し、紐靴の場合は紐を調整しながら靴を足の大きさに合わせましょう。靴の選び方は足の形状によって異なりますが、つま先が十分に広く、大きすぎたり小さすぎたりしないものを選ぶことが大切です。

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