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Blood
骨髄増殖性腫瘍
体のなかで血液細胞を作る工場に当たる、骨髄には大本となる造血幹細胞から、さまざまな成熟段階の骨髄系血液細胞(赤血球、顆粒球、巨核球、肥満細胞)が存在しています。骨髄増殖性腫瘍の患者さんでは、それ...
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血液

骨髄増殖性腫瘍こつずいぞうしょくせいしゅよう

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更新日時: 2017 年 08 月 08 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 08 月 08 日
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概要

体のなかで血液細胞を作る工場に当たる、骨髄には大本となる造血幹細胞から、さまざまな成熟段階の骨髄系血液細胞(赤血球、顆粒球、巨核球、肥満細胞)が存在しています。骨髄増殖性腫瘍の患者さんでは、それらの骨髄にある細胞の一部が何らかの要因で異常な増殖をしており、結果的に血液検査の異常や、血栓傾向、臓器の肥大などさまざまな症状を引き起こします。骨髄では通常細胞と脂肪組織が混在しているのですが、骨髄増殖性腫瘍の場合、細胞数が増える骨髄過形成と呼ばれる状態となり、末梢血液中では特定の種類の細胞が増えますが、白血病や骨髄異形成症候群と異なり、末梢血液中での細胞の形態異常は顕著ではありません。また、急性白血病とは異なり、診断時には正常に機能する細胞も多く末梢血中に存在します。時間の経過によって、骨髄で線維芽細胞という種類の血液細胞とならない細胞が増えることで、結果的に血液が作られない骨髄不全という状態に至ることがある他、別の遺伝子異常の獲得により急性白血病を起こすことがあります。骨髄増殖性腫瘍は、増えている細胞の種類に応じてより細かい分類がなされ、慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板増多症、骨髄線維症などがあります。 また、骨髄増殖性腫瘍は以前骨髄増殖性疾患と呼ばれていた病気を、2008年にWHO(世界保健機関)が、病気の重要性をより認識しやすくするためという理由で改めて名付けたもので、同じ病気を指します。

より詳しい情報は、記事①記事②記事③をご参照ください

原因

骨髄では、常に血液細胞の分裂、分化(体のなかで機能を果たせるように細胞の構造が変わってゆくこと)が行われています。人間の細胞は、遺伝子の設計図に基づいて作られており、新しい細胞にも元となったものと同じ遺伝子が引き継がれていけるようにさまざまな仕組みがはたらいていますが、頻繁な分裂や分化が起きている環境では、この仕組みをすり抜けて遺伝子異常が新しい細胞に起きる可能性が高くなります。骨髄増殖性腫瘍の原因となる全ての遺伝子異常が発見されたわけではありませんが、慢性骨髄性白血病におけるBCR-ABL遺伝子、真性多血症におけるJAK2遺伝子の変異など、それぞれの疾患ごとに一定の遺伝子が関わっていることが判明しています。これらの遺伝子変異がその遺伝子変異を獲得した細胞の生存をより有利にすることで、さまざまな種類・分化段階の細胞が混ざり合った環境において特定の細胞集団が特別にその数を増やす原因になっていると考えられています。

症状

それぞれの病気によっても異なりますが、全身的な症状としてのいわゆるB症状(体重減少、寝汗、微熱、倦怠感)、赤血球や血小板が増加することで血液が固まりやすくなり動脈血栓、心筋梗塞、脳梗塞の多発、増えすぎた細胞を処理するために脾臓の腫大、また病気が進行した段階では、増えている細胞以外の血液細胞が十分に産生されなくなることによる感染症の多発、貧血、出血傾向などのさまざまな症状が引き起こされます。最終的には骨髄不全や急性白血病につながる場合もあります。

検査・診断

具体的にどのような項目を調べるかは病気によって異なりますが、血液の病気であることから、血液検査と骨髄穿刺/生検で、体のなかを流れている血液細胞とその工場に当たる骨髄の様子を調べます。フローサイトメトリーという細胞表面のタンパク質や大きさを調べる検査、遺伝子検査を行う場合はそれぞれの病院の検査機器では行えないこともあり、大学病院に検体を送る等のため結果が出るまでに日数がかかります。

治療

具体的な治療に関してはそれぞれの病気によって大きく異なるため、当該項目を参照してください。特定の遺伝子変異を標的にした分子標的治療、不足している血液細胞やそれを原因とする症状を抑えるための輸血療法、逆に過剰な血液を正常値に近づけ、血栓傾向を是正するための瀉血や薬物療法、など多岐に渡ります。治療の目的も、慢性骨髄性白血病では主に急性白血病への進行を防止することが目的になりますが、真性多血症では血栓による合併症を防ぐことが重視されるなど、その病気がどのようなことを引き起こすか、どのように命に関わってくるかによってさまざまです。