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本態性血小板血症

血液

目次

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概要

本態性血小板血症とは、血小板が増加する病気です。血液にはさまざまな細胞が含まれ、骨の中にある骨髄と呼ばれる場所にある造血幹細胞から作られます。本態性血小板血症は、造血幹細胞の設計図である遺伝子に傷がつくことで血球、特に血小板が異常に増加する疾患です。

「本態性」という言葉は医学的に、症状・疾患は存在するがその原因が明らかでないもの、を意味しています。しかし現在、この病気の原因が遺伝子異常であることが明らかになりつつあります。多くの患者さんは治療を行い、血栓症の予防を行うことで通常の生活を送ることが可能です。寿命も健常人とほとんど変わりません。まれに白血病を発症することがあります。

原因

骨の中(骨髄)にある造血幹細胞の設計図(遺伝子)に傷(変異)が起きることが、本態性血小板血症の原因です。傷が入った造血幹細胞は特に血小板を異常に増加させます。なぜ遺伝子の変異が起こるのかについてはわかっていません。

症状

血小板は出血した時に、止血を行う血球です。本態性血小板血症では異常に血小板が増加するため、血液がドロドロになります。そのため、これらを反映した自覚症状が出現します。具体的には、頭痛、めまい、手足を温めたときにかゆみを感じる、熱くピリピリと感じる(しゃく熱感)、ひざや足などの関節がはれて痛みが出る、胃や目の調子が悪くなる、などです。

最も気を付けなくてはいけない点は、血栓(血の塊)が血管の中にできやすくなることです。この血栓が脳や心臓にできると脳梗塞や心筋梗塞といった命を脅かす病気を合併することがあります。そのため、治療の多くは血栓を防ぐことが目的になります。

検査・診断

本態性血小板血症では、血液検査、骨髄検査、超音波検査が行われます。

血液検査

血液に含まれる細胞の数や形などを調べます。

骨髄検査

血液を作る工場である骨の中の骨髄血を穿刺します。うつ伏せの姿勢で、局所麻酔を行い腰の骨に針をさします。こうして採取した細胞を顕微鏡により詳細に観察します。きちんと血液細胞を作っているか、悪性の細胞がいないかどうかをチェックします。

超音波検査

お腹の中にある脾臓や肝臓が大きくなっていないかどうか調べます。体にかかる負担が小さい検査です。

治療

基本的には外来の通院で治療できます。治療の目的は血栓ができるリスクを下げることになります。本態性血小板血症そのものを完全に治すものではありません。症状を和らげ、進行を遅らせる作用があります。

血液検査や骨髄検査の結果から血栓のできやすさを示す指標があり、大きく低リスクと高リスクの二つに分類されます。低リスクの患者さんは無治療でも数年間は病気が進行しないため、定期的に通院しながら検査により経過を観察します。一方、高リスクの患者さんは、血栓を作りにくくする飲み薬で治療を行います。それでも効果が不十分であったり、血栓ができてしまったりした場合は、飲み薬の抗がん剤で治療を行い、血小板を減らします。

抗血栓療法

アスピリンなどの飲み薬で血栓をできにくくします。出血しやすくなる副作用があります。

化学療法

抗血栓療法で血小板数をコントロールすることが難しい場合に行います。飲み薬の抗がん剤(ヒドロキシウレア、アナグレリドなど)を1日に2~3回内服し、血小板を減らします。本態性血小板血症では、白血病や骨髄異形成症候群などを発症してしまうことがあります。その際は、複数の抗がん剤を組み合わせて注射で投与する化学療法や造血幹細胞移植療法などが行われます。

自覚症状への対処法

鎮痛剤やかゆみ止めなどそれぞれの患者さんの症状に合わせた治療を行います。増加した血小板を減らしたり、血栓をできにくくしたりする作用はありません。