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たかやすどうみゃくえん

高安動脈炎

最終更新日
2020年04月22日
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2020/04/22
更新しました。

概要

高安動脈炎とは、大動脈やそこから分岐する太い血管(大血管)に慢性の炎症が生じる病気のことです。この病気を発症すると、持続する炎症によって血管の組織に異常が生じ、壁が厚くなったり血管が狭くなったりします。また、血栓(血の塊)ができやすくなるのも特徴です。その結果、全身にさまざまな症状を引き起こし、脳梗塞心臓弁膜症など命に関わるような病気を引き起こすことも少なくないとされています。

高安動脈炎は難病にも指定されている珍しい病気であり、日本国内での患者数は約6,000人です。そのうちの9割は女性であり、15~35歳の若い世代に発症することが多いと報告されています。

原因

高安動脈炎は、大動脈とそこから分岐する太い血管に炎症が生じることによって発症します。しかし、どのようなメカニズムで血管に炎症が生じるのか、明確には解明されていないのが現状です。一方、近年の研究では、遺伝的な要因も関与していることが示唆されており、発症原因を解明するための研究が続いています。

症状

高安動脈炎は大動脈やそこから分岐する太い血管など全身の“大血管”に炎症を引き起こす病気です。そのため、症状は炎症を起こした部位によって大きく異なります。

この病気を発症すると血管に慢性の炎症が生じるため組織に変性が起こり、血管の内部が狭くなるといった変化が生じます。そのため、十分な血液が送れなくなり、頭部に続く血管に発症した場合はめまい、立ちくらみ、失神、頭痛、視力障害、難聴、耳鳴りなどの症状を引き起こします。一方、腕や脚に続く血管に発症した場合は、手足のしびれや痛み、だるさなどを引き起こし、重症な場合には歩行が困難になるケースも少なくありません。さらに、腹部の臓器に続く血管に発症した場合は、腎機能障害などの臓器の障害を引き起こします。

そして、発症から数年が経過すると血管の組織が徐々に(もろ)くなっていくことで壁が薄くなり、血管の拡張が生じます。このような病変を“動脈瘤”と呼びますが、破裂すると死に至ることも少なくありません。

一方で、高安動脈炎は発症するとすぐにこのような血管の異常による症状が現れるわけではなく、初期段階では発熱、倦怠感、体重減少など炎症が原因で引き起こされる症状が現れるのが特徴です。特に、高熱が長く続くことが特徴的であるといえます。また、この病気ではおよそ3分の1の方が心臓弁膜症を併発するとされており、血栓ができやすくなって脳梗塞などを発症するリスクが高まったり、心臓の機能が低下したりするケースも多々あります。

検査・診断

高安動脈炎に対しては次のような検査が行われます。

画像検査

血管の状態、病変の位置や広がりなどを調べるための検査です。主にCT検査、MRI検査、血管造影検査などが行われ、診断のためだけでなく経過観察や治療効果の判定のためにも有用とされています。また、近年では、より詳しく血管の状態を調べることができるPET-CT検査が保険適用となり、多く実施されるようになっています。

血液検査

体内の炎症の有無、血の固まりやすさなどを評価するために行う検査です。高安動脈炎では、発症初期の段階から白血球数、CRPなど炎症を反映する検査項目の値が上昇します。しかし、これらの検査項目の値は高安動脈炎を発症したときだけでなく、一般的な肺炎などでも上昇するものであるため、血液検査のみで診断を下すことはできません。また、血液検査は診断の手がかりになりますが、経過観察を行ううえでも重要な検査となります。

尿検査、眼底検査、心臓超音波検査など

高安動脈炎は上でも述べた通り、発症した部位によってさまざまな症状を引き起こします。このため、たとえば視力障害が引き起こされている場合には眼底検査など、それぞれの症状に合わせた検査が行われます。

また、高安動脈炎は進行すると心臓弁膜症を発症するケースがあるため、診断が下された場合には定期的に心臓超音波検査を行うのが一般的です。

治療

高安動脈炎の治療は薬物療法が主体となります。

原則的にはステロイド薬の投与が行われ、多くは血管の炎症を抑えることができるとされています。一方で、ステロイド薬が効きにくい場合は、免疫抑制剤を使用することも少なくありません。そのほか、血流を改善させるための血管拡張薬、血栓の形成を抑えるための抗凝固薬・抗血小板薬、適正な血圧を維持する降圧薬などを併用するのが一般的です。

また、薬物療法のみでは症状を抑えきれず重度な症状がある場合には、病変のある血管を人工血管に取り換える手術やバイパス手術が選択されることがあります。

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