症状
症状は多岐にわたり、乳児期の筋緊張低下から始まり、成長とともに上下肢の痙性麻痺(筋肉が収縮して関節が固まる状態)へと進行します。また、重度の知的発達の遅れや薬剤抵抗性てんかん、繰り返す感染症、重度の便秘や胃食道逆流症といった消化器症状、特徴的な顔つき、身体的特徴などが複合的に現れます。そのほか、免疫系の異常がみられることもあります。
筋緊張低下・痙性麻痺と運動発達の遅れ
乳児期早期には、筋肉の張りが弱い“筋緊張低下”が目立ち、母乳やミルクを吸う力が弱いことによる栄養障害や胃食道逆流症による嘔吐などが起こりやすくなります。運動機能への影響としては、お座りや腹ばいなどの発達が大幅に遅れ、歩行機能を獲得しない可能性もあります。
小児期以降は、逆に筋肉が硬くこわばる“痙性麻痺”が下肢を中心に進行します。これにより歩行機能を一度獲得した場合でも、患者の多くは成長に伴い車椅子が必要となります。
重度の知的発達の遅れ
重度の知的発達の遅れにより、日常生活における全般的な支援が必要です。また、言語獲得が得られず、発語がない場合があります。ただし、自発的に話せない場合でも、簡単な言葉の意味については理解している可能性があります。
薬剤抵抗性てんかん
多くの患者が、幼児期以降に薬剤抵抗性てんかんを発症します。薬剤抵抗性てんかんは、複数の抗てんかん薬を組み合わせても発作を完全に抑えるのが難しいことが特徴です。てんかんを繰り返すことで、発達の遅れが目立ってくることがあります。
繰り返す感染症
MECP2重複症候群の患者は、免疫システムの異常によって細菌やウイルスに対する抵抗力が低下した“易感染性”の状態にあります。呼吸器感染症や尿路感染症などを頻繁に繰り返し、重症な肺炎になることがあります。繰り返す感染症は生命予後に影響を及ぼす大きな要因となるため、予防と早期の治療が重要です。
消化器症状
消化管の動きが弱くなり、多くの場合で重度の便秘がみられるほか、胃食道逆流症や嘔吐がみられることもあります。
特徴的な顔つきと体
一般的に、目が落ちくぼんでいる、両目が離れている、鼻が広い、口がテント状になっている、口が小さい、耳が大きいなどの特徴的な顔つきがみられます。身体的特徴として、全体的に手足の指や爪の細長さなどがみられることもあります。
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